夢小説入口∫異世界への扉∫
□第3の扉
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・・・もうだめ、私
グレスに全部奪われちゃう・・・
バサバサバサッ
ぼんやりと空を見上げる名無しさんの目に
何か黒い大きなものがせまってきた
・・・何?黒い・・・羽根・・・悪魔・・・
目の前に現れたのは
大きな黒い悪魔のような羽根を持つ男だった
濃紺の長い髪をなびかせ
その男は名無しさんの顔を覗き込むと
その見た目とは裏腹にとても優しい笑顔をみせた
次の瞬間男は名無しさんをお姫様だっこの形で抱きかかえると
暗い空に舞い上がった
「きゃっ!」
突然の出来事に名無しさんは思わず目を閉じた
『ーーーーっ!!!』
遠くのほうでグレスの叫び声がきこえた
・・・私、助かったの?
この人の体温・・・あたたかい・・・
ほっとした名無しさんは男の腕に抱かれ眠ってしまった
・・・『お嬢さん、お嬢さん・・・』
名無しさんの耳に優しい声が聞こえる
目を開けると心配そうに見つめる男の顔があった
「・・・///あっはい・・・」
・・・綺麗・・・なんだか彫刻を見ているみたい・・・
濃紺の長い髪
漆黒の瞳・・・
目の前の男の顔はとても整っていて
女の名無しさんでも思わず綺麗だと思ってしまう
名無しさんを抱きかかえている
腕はたくましく身長もかなり大きいようだった
男は目を開けて答えたものの
まだ心ここにあらずといった表情の名無しさんをゆっくりと丁寧に
ソファーに座らせた
そして、はっ顔を赤らめると
名無しさんから目をそらすと近くにあった膝かけを
名無しさんの身体にかぶせた
フワリとした肌触りのいい布が直接肌に触れて名無しさんはハッと我にかえった
「あっ・・・///」
グレスにシャツの前を破られ
ほとんど裸状態だった名無しさん
顔を真っ赤にすると膝かけを身体に巻きつけようとしたが
力が入らない
「身体・・・うまく動かせない・・・」