短編

□世界は色を取り戻す
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コンテストで負ける。

それはとても悲しい事。
とても悔しい事。


少なくともそれは私にとって、とても喜ばしくない事・・・


なのに、どうして・・・


「どうしてこんなに心がカラッポなのかしら?」


私は今日コンテストで負けた。

普段なら悔しくても、次に向けてまた頑張ろうって思う。


でも今は何も感じないの。

ポケモン達と演技する楽しさも。
勝った時の気持ちよさも。
ポケモン達と一つになる瞬間も・・・。


全部全部他人事に感じる。


どうして?

私は空っぽになったのかな・・・?


嗚呼、もうコンテストを楽しいと感じられないかもしれない。

あんなに夢中になれたのに。


唯一の目標も失ってしまうのかしら?


一筋の涙が溢れた。


その時、

「ハルカ?」


「シュウ・・・?」


彼の姿を見た瞬間、私の世界は色を取り戻したかのように明るくなった。

それと同時に涙が溢れ出す。


シュウは私の姿にビックリしていたけど、私が落ち着くまで、ずっと傍に居てくれた。


私、貴方が居ないとダメみたいなの。
世界が真っ暗になってしまう。

私には貴方が・・・シュウが必要なのっ


溢れていた想いが涙と一緒に流れ出した。

嗚呼どうか私の冷え切った心を温めて

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