短編

□泣き虫な私
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大丈夫。



私は弱くなんて無いから・・・

一人でも大丈夫よ


だから・・・・・・






ピピッと音が鳴り、脇に挟んでいた体温計を取り出す

38.6・・・完璧な高熱だ


「はぁ・・・最悪かも」



朝から、頭がズキズキしてボーっとするなぁ・・・と思って熱を測ってみたら、この有様


幸い、此処はポケモンセンターの一室

今日は大人しく寝ていれば、誰にもうつす事無くいられるだろう



しかし、問題は今



今日はこの街でコンテストが開かれるのだ

その為に昨日から此処に泊まっていた


さらに、今日のコンテストにはシュウも出るらしいから、いつもより気合が入っていたのに・・・

なのに・・・



「どうしてゴホッ、こんな時にゴホッゴホッ熱が出るのよ〜〜〜ゴホッ」


悔やんでも仕方が無いのは分かっている

でも・・・やっぱり


「出たかったな・・・」



シュウとは、3ヶ月間会っていない


もちろんコンテストに出たいというのが第一だけど・・・


久しぶりに彼に会えると思ってたのにな



こんな熱では、コンテストになんか出れる筈がない


この日の為に、頑張ってきた皆には悪いけど欠席するしかない・・・




シーンと静まり返った部屋の中に、一人で居ると何故だか寂しくなってくる



家に居る時には、ママがずっと傍で、看病してくれた

旅に出た間には、タケシやサトシ、マサトが傍に居て心配し、看病てくれた



熱が出ると、無性に人肌が恋しくなる・・・



でも、今は一人なんだ・・・

その事を改めて実感した途端、何故だか無性に泣きたくなってきた


こんなにも私って弱かったっけ・・・?
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