短編
□バンダナの少女
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ご主人は、いつの間にかバンダナの少女を目で探すようになっていた。
自分でも気づかないうちに。
でも、私はもう彼の胸の中にあるモノに気が付いている。
彼女は鈍感だから、気づくのに時間がかかると思うけど、きっと自分で気がつくだろう。
もちろん、私の主人も。
両想いのはずなのに、2人とも素直じゃないからかしらね。
じゃぁ、私はこの2人を見守ることにしましょう。
いつか、きっと結ばれるはずの2人の未来を見るために。
案の定。
2人は結ばれたわ。
その頃からかしら?
彼女のトレードマークの1つである、真っ赤なバンダナが、エメラルドに変わったのは。
嗚呼、私のご主人はなぜ独占欲がこんなにも強いのかしらね。
ご主人の髪と同じ色のバンダナ。
そういえば、この間 偶然2人の会話を聞いたわ。
「君にはいつも僕のことを思っていてほしいからね」
って言いながら ご主人は、必死でボーカーフェイスを保とうとしてたわ。
ハルカさんも、
「・・・シュウのことなら、いつも考えてるかも!!」
と、顔を赤らめ俯きながら、必死で伝えていた。
あらあら
2人とも、顔が真っ赤だわ。
初々しくて 2人ともすごく可愛かったですよ。
こんな2人をいつまでも見守っていこう。
ロゼリアは密かにそう誓うのでした・・・。
バンダナの少女