短編

□あの頃には戻れない
1ページ/1ページ

・サファイア標準語

・サファイアが結婚する

・ルサじゃない

・悲恋


それでもいいという方は、どうぞ ↓








彼女の隣は、僕だった。

これから先も、ずっとそうなんだと信じていた。


もっと早くに気がついてたら、君は僕の隣で笑っててくれたかな・・・


僕の隣に君は居なくて。

君の隣が僕じゃなくなったのは何時からだろう・・・


気づいた時にはもう遅い。



“ねぇルビー、あたしね結婚するの”



幸せそうに笑う君。

左手の薬指に、キラリと光る、幸せな証。



サファイアが人生で一番綺麗な日。



「・・・サファイア、僕だよ。入ってもいいかい?」

「どうぞ」


控室の扉の奥には彼女が居た。

ウエディングドレスを身にまとった、サファイアの姿は、今までで一番綺麗だった。



「ルビー、来てくれたの?嬉しい!ありがとう」

「・・・beautifulだよ、サファイア。・・・お幸せにね。」

「えぇ///」



サファイアが、照れながら笑った。


「?どうかした??」

「・・・何でも無いよ」


僕は今、きちんと笑えているだろうか・・・

作り笑いは得意だから、きっと大丈夫だろう。


「じゃぁ、僕そろそろ会場に行くよ」

「えぇ、分かったわ」


ゆっくりと扉を閉め、会場へと足を進めた。


本当は、今すぐにでもサファイアを抱きしめたかった。

2人で遠い所へ逃げたかった。

僕の隣でずっと笑っていて欲しかった。


でも、そんなことはもう出来ないって分かっているんだ。

幼かったあの頃にはもう戻れない・・・


君の隣は僕じゃない。

幼かった僕の恋にGood-bye・・・


どうか、誰よりも幸せになって。サファイア・・・

「I love you・・・」


あの頃には戻れない

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ