短編
□Do you remember me?
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― 貴方は私を覚えていますか?
父ちゃんの親友の子で、何日間かだけ一緒に過ごした・・・
ボーマンダから私を守ってくれた、憧れの男の子。
その彼に向って、『怖い』と言ってしまった。
助けてくれた彼に、酷い事を言ってしまった。
・・・あたしは彼の強さを否定してしまった。
あたしが弱い存在だから。
守られてばかりで戦えない存在だから。
あの彼を傷つけてしまった・・・
だからあたしは決めた。
強くなろう。と・・・
あの彼のように、誰かを守れる強さを身につけよう・・・
これからは、綺麗な洋服も、アクセサリーも必要無い。
上辺だけの綺麗さなんて、捨ててしまおう。
だから、今度会うときは変わったあたしを見てほしい。
名前も、顔も忘れてしまった・・・
しかも、あたしはあの彼を傷つけてしまった・・・
それでも、貴方はあたしのことを覚えてますか・・・?
「・・・Do you remember me?・・・」
「何か言った?サファイア」
「何でも無いったい」
「?」
憧れの彼は、ルビーだということが分かった。
でも、どういう訳だか知らないけど、あの彼はあたしのことを、忘れているフリをしている。
仕方がないから、しばらくはこの関係のままで。
貴方は私を覚えていますか・・・?