短編
□素直になれなくて
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どうして僕は、こんなにも捻くれているんだろう・・・
真っ直ぐで素直な彼女とは、正反対だ。
「同情・・・か。」
僕が、この関係を崩したくないという自己満足な結論を出したせいで、彼女は苦しんでいる。
彼女が苦しむぐらいなら、詰まらない考えなんて、捨ててしまおう。
答えなんか・・・
最初から決まっていたじゃないか!!
僕は、彼女が去っていった方向へと走り出した。
僕の正直な気持ちを、彼女に話すために。
もう、嘘をつくのは辞めよう。
素直な君に、僕の素直な気持ちを聞いてほしい。
もう、遅いかもしれない・・・
でも・・・、それでも聞いてほしい。
僕も、今の君が・・・
サファイアのことが誰よりも愛しいんだ。
どうか君に、僕の気持ちを知ってほしい。
小さいころからずっとずっと想っていた、思い出の女の子・・・
いつの間にか、その子よりも今の君に惹かれて行った。
君がどうしようもなく好きなんだ。
これは、偽りのない僕の本心だ。
同情なんか、一回もしたことなんてない。
サファイア・・・
君に僕の想いを伝えるよ。
はぐらかさないで、きちんと素直に。
だから、どうか君に知ってほしいんだ。
僕の本心を・・・・
君は僕に、振って欲しいと言ったけど、そんなことをする気は全然ない。
むしろ、その逆さ。
今、君に会いに行くよ・・・サファイア