短編

□強引な愛を囁いて
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ゴールドさんの顔が真ん前にあって、金色の瞳が閉じられている。


恥ずかしいという気持ちはあったが、不思議と嫌では無かった。

何分もしているように感じたが、実際は何十秒のことだろう。



互いの唇が離れると、ゴールドさんはいつに無く真剣な顔で、あたしを見つめていた。


「俺は本気でお前が好きだ、サファイア」


こんなに真剣にあたしを想ってくれている。
こんなに優しい彼が好きだと言ってくれた。


でも、あたしはまだ、あん人・・・ルビーの事が完全に吹っ切れたわけではない。


「でもあたしはまだ、ルビーの事っ」

「今はそれでもいい。でもいつかお前が、俺だけを見てくれるよう、ベタ惚れにさせてやるからよっ!」


カラッと笑う彼は、とてもかっこよかった。


あぁどうしてそんなにも優しくしてくれるの?
どうしてそんなにも優しい表情であたしを見てくれるの?



―こん人なら信じることが出来る。



今度はあたしからゴールドさんの胸の中へ飛び込んだ。

ゴールドさんはビックリしたようだったけど、ちゃんとあたしを抱きとめてくれた。



今はまだ、全部の気持ちがあなたに向いていないけれど・・・それでも


「本当にあたしでええん?」


彼は瞬きして、それからとびっきりの優しい顔で言い切った。


「バーカ。俺はお前だから・・・サファイアだからいいんだよっ!」


その言葉を聞いて、あたしも笑顔になる。

「あたしもゴールドさんが好きったい」


ゴールドさんは、最初少し頬を赤く染めて呆然としていたが、太陽みたいな笑顔であたしに笑いかけてくれた。


「お前の気持ちが全部俺に向くように惚れさせてやるからな!!」



多分今度はあたしの顔が真っ赤に染まっているだろう。
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