短編

□王子様なんてガラじゃないけれど
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「どうしよう・・・」


本日の天気、土砂降り。



オーキド博士に頼まれて、買い物に出たまで
は良かったんだけど・・・

途中から雨が降り始めちゃって、その時はまだ買う物もあったし、小雨だったから大丈夫って思ってたんだけど・・・


その結果がこのありさま。



今日に限って、ポケモン達は研究所に置いてきちゃったし、当然傘も持っていない。


しばらく、雨宿りするしかないと思って、お店の屋根の下で雨宿り中。

でも、ずっとこうしてるのもお店の人に迷惑だろうし・・・

かと言って、帰る方法も無い・・・。


どうしようかと悩んでいたら、ポケギアが急に鳴った。

名前を見ると、相手は見慣れた名前だった。


「もしもし?」

「おぅ、クリス。お前今何処に居んだよっ」

「お店の屋根の下で雨宿り中だけど・・・?」

「居た!!」


ブチッと一方的に切れた電話。

傘を上下に揺らしながら、人影が此方へ近づいてくる。

そして、聞きなれたが遠くの方から聞こえた。


「やっと見つけたぜ、クリス」

「ゴールド・・・どうして貴方が此処に?」

「オーキドの爺さんの所に行ったらよぉ、オメェーが傘もポケモンも持たずに、買い物に出たっつーから・・・」

「それで、わざわざ探してくれたの・・・?」

「たったまたまだっつーの!!///」


「ごめんね、ゴールド。わざわざ探しに来てもらって・・・」

「謝んなって、よくあるこった気にすんな」


彼は、いつもと変わらない笑顔で言ってくれた。


「うん。ありがとう、ゴールド」

「さぁ、帰ろうぜ!クリス」 

「!!///、えぇ」


今一瞬ドキッとした気がしたんだけど、気のせいよね。きっと・・・///

でも、何なのかしら。

このドキドキは・・・



彼女がこの正体に気がつくのは、もう少し先の話・・・
  

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