BLEACHのお部屋

□黒猫探検日記
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       『黒猫体験記』(中編)











俺が連れて行かれた場所は医務室みたいな所だった。
え?なんで医務室って分かるかって?

消毒液の臭いが充満してりゃ誰だってわかるだろう。

「卯ノ花隊長〜?いっらしゃいますか??」

部屋に入ると長い三つ編のキレイな姉ちゃんが座っていた。
うわ〜…いかにも医者って感じの部屋だ。
って医務室なんだから当たり前か。

奥には薬品棚らしき物も見える。

「雛森副隊長?どうかなさいましたか?」

今の話から推察するにどうやらこの女は雛森というらしい。
それに副隊長かよ。

全然見えないが。

「いえ、私じゃなくて…この子なんですけど…」

女は卯ノ花とか言う姉ちゃんが座っている前の机に俺を降ろした。

「まあ、かわいしい。飼っていらっしゃいましたっけ?」

「いいえ。病室の前の庭で見つけたんです。そしたら罠にかかってしまって…。」

「そうだったんですか…。わかりました。準備しますから、お掛けになって待っていてください。」

卯ノ花は雛森に椅子を進めると、薬品棚から何やら物色し始めた。

…なんかものすんごくいやな予感がするんですけど。

悲しいことに俺の勘は当たっていた。
卯ノ花がさっきおいた消毒液だと思われるビンを見ると、消毒液にあるまじき色をしていた。
うげぇ。

ま、まさか…。

消毒液をつけたまさにその瞬間。
俺は地獄を見たような声を発した。

「ぎにゃああああああああああああああああ!!!??」

いーーーーーーーたーーーーーーーーっ!!!!!!

ななな何すんじゃこらあ!!
うう…。

きれいな顔して悪魔だ…。
仕返しに威嚇してやった。

「フッーーー!!」

「こらっ命の恩人でしょ?そういうことしないの!」

「フフ、かまいませんよ。かなり痛かったでしょうからね。…はい、終わりです。お大事に。」

「すみません。ありがとうございました。」

ちくしょう…。
もう二度と庭になんか入らないぞ。

雛森が卯ノ花に礼を言い、部屋を出ようとした時、卯ノ花に呼び止められた。

「雛森副隊長。…お元気になられたのはいい事ですがあまり無理をなさらないでくださいね。…病み上がりなんですから。」

「はい。わかってます。」

「それと…つかぬ事をお聞きしますけど…日番谷隊長にお会いにらなれましたか?」

日番谷?だれだそいつ。
でも確かに日番谷と言ったとき雛森は固まった。

どうやら何かあったらいいしな。
その日番谷とかいうやつと。

「…いいえ、一度も。私が目を覚ましたときにはもう現世任務に行ってしまった後だったらしいです。」

雛森がそう言った時一瞬、泣いているように見えた。
俺の気のせいか?

「…そうですか。余計な事を聞いてしまいましたね。すみませんでした。」

「いえ。かまいませんよ。…それじゃ、失礼します。」

卯ノ花に再度礼を言うと、俺たちは医務室を後にした。
…なんだか聞いてはいけない事を聞いた気分だ。

なんでこんな気分にならにゃいかんのだ?
しばらく2人とも無言で歩いた。

…気まずい…気まずすぎる。

重い沈黙を破ったのは雛森だった。

「ネコ君。これからどうしよっか。」

どうしよっかって言われても…。
俺こんな状態だし。

「…しかたないね。うちにくるかい?」

ふーんあんたん家にねぇ。


………は?あんた家?


うええええ!!!??なぜ!?
あ、でも女の子の家ならいいか…ってそうじゃなくて!!




なんでやねーーーーーーーーーん!!!!!!!









これが、コイツとの共同生活の始まりだった。









                  〜中編・完〜
               →後編に続きます。
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