BLEACHのお部屋

□たしかに
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         『たしかに』








窓から差し込んでくる朝日で日番谷は目を覚ました。
睡眠不足の疲れた体を無理やり布団からひきずりだす。

現世にきてから横になっても寝れないことが多い。
今、日番谷たちは井上織姫の家で寝泊りさせてもらっている。

寝ている乱菊たちを起こさないようにそっと玄関のドアを開けて外へでた。
地をけると一気に屋根まで飛ぶ。

慣れた様子で着地し、腰を下ろしした。


『ほら、早く起きないとおいてくよ』


あの時も朝日が差し込んでいた。
なんだか無性になつかしい気分になった。

鍵を閉める音。

地面を踏む音。

子どもの頃は聞こえているのが当たり前だった。
君の声はすごく身近で、それが日常で。

それが嬉しかったし、楽しかった。

でも今は。

なぜか無性に悲しくなる毎朝。

目を覚ましても君はいない。
いつからだろう。

君はたしかに傷ついて。
たしかに苦しくて。

それでも何かを夢見てて。
何かを追いかけて。

そして、副隊長になった。


『あのね、今度副隊長になれることになったの』

そういって幸せそうに、いった。

なのに…。

あの事件が起こってしまった。

動けない、話せない。
君の声は聞けないのだ。

あれからどれだけ時間が過ぎてしまったのか。
ときどき忘れてしまいそうになる。

できるならどうか。

忘れかけた声で心に呼びかけてくれるだろうか。

朝焼けを見つめて心でつぶやいた。


―どうか、彼女が苦しまないように。

―周りの存在に気づくように。


ここにも、今日にも、君にも、誰にも


たしかに


たしかに



たしかに愛はある。



―今日は夕焼けを見に行こうか。



彼女の分まで。









+あとがき+
アニブリ見た人はわかりますね〜。
なんだか印象にかなりのこったので妄想…もとい、思いついたので書きました。
アンジュラアキの『たしかに』。
アンジュラアキ大好きなんですよ!!『This Love』とか。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

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