BLEACHのお部屋
□Rolling Stsr
1ページ/1ページ
『Rolling Stra』
夢にまで見たよな世界は争いもなく平和に暮らしたいと思う。
きっとそれはアイツに拾われて今まで生きてこれたからだ。
だから幸せでいてほしい。
そうはいっても毎年この時期いつも頭を悩ませている。
…雛森からバレンタインデーにもらったチョコのお返しに。
(ほんっとに今年はどうしよう…。)
十番隊執務室でうつぶせになりながら何にしようかまったくいいアイディアが浮かばない。
去年は普通にキャンディの詰め合わせだった…ような気がする。
ふ〜っと盛大なため息をついた。
これだからあまり日番谷はホワイトデーは好きではない。
絶対というほど雛森からチョコをもらうからだ。
嬉しい反面何にしようか悩むのがわかっていながら悩んでしまう自分に情けなくなってしまう。
「…隊長、ため息つくのやめてください。」
別のところで書類整理をしていた副官である乱菊はうつぶせになっている隊長を見て声をかけた。
「…悩み事ですか?ため息付くと幸せが逃げますよ。」
「てめぇだけには言われたかねぇよ…。」
サボり魔である乱菊にはいつも重要なところで逃げられるのでそのツケに大量に書類を回してやったりしている。
なんだかよくわからないが、今日は珍しく書類整理をしているので仕事のスピードも若干今日は違う。
午前中この様子なら午前中には緊急の仕事が入らない限り終わりそうだ。
(買いには行けそうだな…。)
買いに行けなくて渡せないという最悪の状況だけはなんとか回避できそうだ。
問題は何を買うか…だ。
「隊長から貰えるものならなんでもいいんじゃないですか?」
乱菊の言葉に日番谷は目を丸くした。
「…なんのことだ?」
とぼけないでくださよと乱菊の顔に書いてあるような気がした。
「雛森にお返しするんでしょう?…顔に書いてありますよ。」
「……///」
顔が赤くなっているのを感じた。
そんなにわかりやすい顔をしているのだろうか。
「後やっときますから上がってもいいですよ。」
半分、乱菊に追い出されるように日番谷は街へ出て行った。
**************
追い出されたはいいものの、どこへ行ったらいいのやら。
とりあえず当てもなくプラプラと歩く。
久しぶりにきた街には活気が渦巻いていた。
ホワイトデーのせいか男性が多い。
ふと見上げるとアクセサリー系のお店が目に付いた。
なんとなく気になったのだ。
しばらく物色したのち、いいネックレスがあったので購入して隊舎に引き返したのだった。
************
「…日番谷くんどうしたの?…やつれちゃって…。」
いつもより眉間に皺がよっている日番谷に執務室に遊びにきていた雛森は声をかける。
「…いや…なんでもない。」
どうせ雛森は仕事が終わってないだろうと執務室に戻ってきたはいい。
が、乱菊にさんざん遊ばれ、からかわれればさすがの日番谷も疲れる。
あそう。と雛森は手元に持っているお茶に視線を戻した。
渡すなら乱菊がいない今が絶好のチャンスだ。
…雛森はこんなので喜ぶかわからんが。
「…雛森。」
「ん?」
日番谷は細長い包みを雛森に渡した。
綺麗な白い包みになっている。
「バレンタインデーのお返し。」
「え。……///…開けていい?」
「どうぞ〜。」
包みを開けると蝶のネックレスだった。
「うわあ…ありがとう!」
嬉しそうに微笑むとホッとした。
…やっぱり笑っている顔が一番だと思った。
なるべく笑顔でいたいとは思うけれど現実は難しくて。
護るためにはそうするしかなくて。
そうでなければやっていられなくて。
できれば夢にまで見たよな世界が争いもなく平和でいられますように。