鋼の錬金術師のお部屋

□博学の錬金術師
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にぎやかないつもの汽車。
耳をすますとあいつの声が聞こえてくるような気がする。

あれから2年…。

私は彼の意思を継がなくてはいけない。


いつもそう願っていたにちがいないから…。



        





       *博学の錬金術師*
〜エピローグ〜





リゼンブールを出て2時間。
セントラル着くのには1時間はかかるだろう。

「ふあ〜…」

長旅で眠気がどっと押し寄せてくる。

「まだつかないのかな〜…」

ぼんやりと外の景色を眺める。
内戦があったとはおもえないほどの静けさだ。

もっとも都会ではないのだから、静かで当たり前なのだが。

「お姉ちゃん!」

後ろから幼い少女の声がした。
振り向くと5歳くらいだろうか。

退屈そうな顔をしている少女が話しかけてきた。

「なにかな?」

「お姉ちゃんの大きいねそのバック。」

少女はまるまるイスを占領していた大きなバックを指差した。

「へ?ああそうね。お姉さんのお仕事の道具がはいってるから。」

「お仕事?職人さん?」

「う〜んちょっとちがうなあ〜これはね、機会を直す道具なの。」

「え、じゃあ修理屋さん?」

「まあそんなところね」

「すご〜い…」

ものめずらしいそうにみていると母親だろうか。
制止の声が聞こえた。

「こらルチア、やめなさい。みっともないですよ。」

「は〜い…。」

「かまいませんよ。ほとんど私以外に見せるなんて事ないですし。」

「でも…」

「壊せる道具じゃありませんから。」

「すみません。」

すまなそうな顔をされたが、つまらなさそうだし、暇つぶしにもなる。

「いいえ、さ、おいで。」

「うわーい!」

バックから一つだけ道具を取り出すと、少女を膝にのせ、もたせてやった。
元々子供好きだし、いくら見ててもあきない。


―その時、静寂を切り裂くように銃声が聞こえ、男たちが車両に入ってきた。

「静かにしろ!!我々はこの汽車を占拠した!悪いがつきあってもらうぞ!」

「うわーん」

恐ろしさにルチアが泣き出してしまった。

「大丈夫よ、ママの所に…」

「動くな!!」

ガンッと顔の横を弾がとって窓ガラスを割った。

「止めなさい、小さい子供だっているのよ。手荒な事はしないで!」

「言う事がきけないなら…」

「聞けないならなんですって?」

すばやく男の背後にまわり、回し蹴りを一発くらわした。

「ぐわっ」

パンっと両手を合わせると男が逃げないよう拘束しつつカーテンでロープを錬成した。

「て…てめえ何者だ!?」

「ただの錬金術師ですよ。」



にっこりと犯人に怖い笑顔を返した。


     
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