白銀

□募る想い
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神田と別れ、2人は宿へ帰った…
そう、2人はこの町の住人ではないからだ…


「アレン、明日は早朝、家に帰んぞ…!」

「!??
何で?!ラビ!!」


(祭りは明日、それに…)


「アイツ…、あの神田 ユウって奴から、力を感じた、それにアイツの腰から下げてた武器、………アレは、“あの匂い”は、“イノセンス”!
アイツ…、“エクソシスト”だ!!」




「!!!」

(何でだろ? 胸がツキリと痛んだ…)



いつになく真剣で、危機の迫ったラビのその表情からは、いつものへらへらした雰囲気は微塵も感じられない…


「…でっ、でも! 僕……」


「アレンは、俺らの中でも桁違いに魔力が強いからな…、そのぶん他人の力に疎いだけさ」



アレンの頭を撫でながら、優しく、諭すように話しかける

「それにさ、まだアレンは、エクソシストに会った事なかっただろ?」


「…うん」


「だからさ、しゃーねえって」



「まっ、アレンの力なら、あんなエクソシストに負けねえだろうけどさ、アレンにもしもの事が有ったらさ、お前の“家族”と、ジジイが五月蝿いしな〜」
今度は、おどけて笑って言ったが…

(それにアレンは、人間が好きだからな…)

自分の手のひらをギュッと握りしめ、更に思う…

(そんなアレンが戦えば……、力が暴走しちまうかもしんねぇ…)


いつの間にか険しい表情をしていたらしく、心配そうにアレンが声をかけて来た

「…ラビ、大丈夫?」

「?!
あっ、ゴメン、大丈夫!
ちと、アレンの“家族”にお説教されるとこを想像しちまってι」




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