middle story

□『約束の言葉シリーズ』
 白の約束
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 朝の新幹線の車内。小学校高学年くらいの少年少女が三人、席を陣取っていた。
 窓にへばりつく白い髪の少年。その隣に半ば呆れながら座っている青い髪の少女。青い髪の少女の目の前に座っている眠たそうな赤い髪の少年。
 その時、不意に白い髪の少年が口を開く。
「あとどのぐらいで着くんだっけ?」
「二時間くらいだったと思ったけど」
「そうだったな」
「そっか。だけど行き先が近かったのはよかったよね」
 白い髪の少年の言葉に青い髪の少女は頷く。
「それは言えるわよね。近いと相談とかできるし」
「俺は必要ないけどな」
「そんなこと言ってて知らないわよ」
 そう言った青い髪の少女にフンとそっぽを向くと、赤い髪の少年は目を閉じた。白い髪の少年はまた窓の外に釘付けになってしまい、青い髪の少女は小さなため息をついた。
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