Pumpkin Scissors

□ベビートラブル!!
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「また赤ん坊が捨てられてたぁ?」

 オレルドの素っ頓狂な声が三課に響く。
 オーランドの話では出勤の際にまたも門前に子供が置かれていたというのである。
 こんなに大きな不振物に気付かぬ門兵ってどうなんだ? とオレルドはこの軍の警備能力を疑いたくなったが、今はそれを問うときではないと判断したし、実際そんなことを問うてややこしい事態になるのは正直面倒くさいなどと甚だ軍人らしからぬ考えを一瞬にして思ったのである。
「ったくウチは託児所じゃねぇーっつーの。どうするんだよこいつ…」
 頼みの大尉は会議で留守にしており、あの吶喊少尉も任務で早くから留守にしていた。
 お陰で本日の遅刻についての説教は免れたわけであるが、そう言うときに限って厄介ごとが回ってくるものである。
「でも…赤ん坊って可愛いですよね。軟らかくて、温かくて…優しいにおいがする…。」
 赤ん坊を抱き寄せながらそんな風に微笑むオーランド。
 オレルドは特別子供が好きでもないし、ましてや欲しいなどと思ったこともない。
 だが然し恋という病は確実に人の脳を侵しているのだ。
 目の前で愛しい者が優しく子供を抱き上げて聖母の如く――オレルドのビジョンである――微笑む姿を目にすると、こいつの子供ならきっと可愛いだろうな。とか、こいつの子だったら欲しいかもなぁ……。などと思ったりするのだ。恋の病とは恐ろしい。

「……お前が欲しいなら俺今からでも頑張るけど?」
 ついにはそんな言葉まで口をついた。
「そうですかぁ……って、え!?」
 子供の寝顔を見ながら揺りかごの様に身体を揺らすことに集中していたオーランドは、話を理解するのに僅かながら時間がかかり「うんうん」と頷き相槌を打った後にその言葉を理解をして、みるみる顔を赤くさせる。
「もーからかわないでくださいよ!」
 耳まで真っ赤にさせ、プゥッと頬を膨らました仕草でオーランドは背を向ける。
 二メートル半ばの秋刀魚傷の大男が、そんな仕草をし、あまつさえそんな姿を見て"可愛い"などと思ってしまう自分は大分"イカレている"などとオレルドは思いながらその頭の片隅で、
(結構オレ的にはマジだったんだが)
 と、それがさらに"イカレた思考"である自分には気付かずに、
「まぁいいやベッドでわからせるから。」
 などと小さく呟いた。
「…今何か言いました?」
 ボソリと聞こえたオレルドの呟きに平静を取り戻したオーランドが振り返ると、不思議そうに首をかしげて問いかける。
 そんなオーランドの問いかけに、
「いや? 何も?」
 と返すオレルドの顔は、それはそれは素晴らしい笑顔であった。


 ランデル・オーランド伍長の運命や如何に。


END


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日記に載せていた赤ちゃんネタ。
いつか本当に子供を作っちゃえば良いと思います(笑)

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