Pumpkin Scissors

□悪夢よ消えて
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 小さく呻く声に眠りの底から俺の意識が浮上してくる。そっと目を開いて隣を見れば体中に汗をかき苦しそうに呻くデカブツの姿。
 ああ…「また」だと思った。
 デカブツと知り合ってから、デカブツとこんな関係になる前からデカブツが悪夢に魘され続けている事を俺は知っている。
 いつだったかデカブツが少しだけ話してくれた夢の内容はゾッとするもので。デカブツはずっと悪夢に付きまとわれている。
 悪夢を見続けても、それでも大事なもの達を守っていきたいのだと笑うデカブツに、俺は何をしてやれるのか。
 俺はデカブツを救うこれといった解決方法を見出せず、出来ることと言えばただそっと抱きしめることぐらい。そんな事しか出来ない俺は、なんと無力なのか……。
 それでも俺の腕の中にいるときは悪夢を見ないのだとデカブツが笑ったから。
 だから…せめて、俺の出来ることで少しでもデカブツを救ってやりたい。
 俺の腕の中にいる間は悪夢を見ないというのなら……デカブツが悪夢を見ぬように俺はデカブツを抱いてよう。
 だからどうか、今この時だけは、デカブツが悪夢を見なければいいと、ただただひたすらに願う……。

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