選択と道標 〜パラレルとリアル〜
□最終章:紡いでゆく未来(あした)。
*皆川と甲斐田と川上+國分のその後。
―――本気モードを止めるのは、容易なことではない。正直、一歩間違えたら死ぬとこだったし・・・。
國分の協力があったから被害が少なく済んだのは、幸いと言うべきか。
「ううん・・・、せっかくの打ち上げだったのに、あんまり記憶が無いや・・・」
「深刻な記憶喪失に陥らなかっただけいいじゃないの。私も記憶が飛び飛びだけど」
「甲斐田さんも皆川さんも派手に戦ってたっスもんね」
「ほんとほんと、ガチで殺し合いになるかと思ったよ」
互いに怒りの感情大爆発してたから、殺意が尋常じゃなかったや。
「ただね、節々は痛いけど発散は出来た気がするっ!今回まともに戦えなかったし!」
「野島君の目的はあんたじゃなくて細谷だったものね。でも、攻撃がぜーんぶ高橋に行っちゃったから、相当イライラしてたわね」
「・・・あ、あれは、まあ、そういうもんだったっスから」
「國分は知ってるのか?だったら何で言わないんよ」
「私も直純さんに言われたとおりに実行しただけなんで、真意に気づいたのは中盤っスよーっ!」
「そもそも、お前は最初から機能停止してただろが」
・・・その件については別の機会に話すとして、終わりよければ全てよし。
平穏を感じていると、さっきまでのことがまるで夢のように思えてしまう。
「ハッ、これが平和ボケ・・・!!」
「ボケボケになっちゃうな。やっぱ争いはよくないな!」
「さっき人をたたっ切ろうとした人の言うことじゃないわね」
「甲斐田さんは根に持つと深いっスからね」
「ほんとにね!そこは「うんそうだね」ってしみじみと同意するとこじゃない!?」
「根本的な問題が全く解決していない以上、この緊張感を抜くことは出来ないわ!」
「せ、正論・・・」
「ただの正論っスね」
こんな息の合った?会話を聞いてると、本心では互いに戦う気なんてないんだなって気づく。
・・・ま、まさか、秘めた感情だったりして。まさかぁ〜〜〜。
「“私”は10年近く一緒にいたし、そんなことないよね・・・?」
「?とも子さん、どうしたんスか?」
「・・・何でもない」
まあ、やっぱり仲良い二人が戦うのは見たくないや。
仲良しが一番、だよね!
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