選択と道標 〜パラレルとリアル〜
□第4章:くうはくの1ヵ月半。
―――細谷はんが休養宣言をした2日後に、わいが『ラジプリ』に出るよう言われた。
しかも、直にファンの声が届いてしまうファンレターボックスに。
(おい待てよ、何でこのタイミングなんや)
質問の締め切りは今週末。・・・なんやけど、あまりにもタイムリーやからか、送られる内容が・・・。
その間で案の定と言うか、何と言うか、常日頃チーム愛を語ってたことが仇となってしまい、送られた内容の3割は細谷はんに関する質問やった。
(しまった、これは流石に予想外やった・・・。くそぅ、お前らも空気読めよ!!いや、読んだ結果なんかこれぇっ!!)
とも子はんがボソリと「肝心な話題ってやっぱ知りたいよね〜〜。沙苗ちゃん達の時は申し訳なかったよ・・・」と言ってたけど、ほんまその通りやんか。
(わいとしては、今一番触れてほしくない話題やったんに・・・。ツイッターも細谷はんのことばっか!!ほんま嫌になる!!)
わいはまだ何にもコメントしてなかった(出来なかった)のに、最新のツイには細谷はんに関するファンの子達のメッセージがチラホラ。
他のメンバーはそれなりの対応をしとるんやけど、わいはどうコメントせぇっちゅうねんっっっ!!!!!
・・・そもそも、コメント出来ない理由は二つある。
一つは、わいがコメントをしたことで細谷はんにいらぬ心配をかけてしまうかどうか。
喉の不調はゆっくり休養するに越したことは無いけど、わいのコメント次第で這いずってこられたらシャレにならん。
こういうのは初動が大事やからな。つか、これはドクターストップなんやろな・・・。前からちょっと喉がおかしいって言ってたし(この時に止めてりゃ良かった、アホやん・・・)。
もう一つは、もし、この休養中に運命の人でも見つけてそのまま結婚なんて流れになるかどうか。
純子はんが「この間の行動次第でさ、男ってコロッといっちゃうもんよ〜〜v」なんてほざいたせいで、そんなことがグルグルグルグル回ってしまう。
・・・本当なら喜ばなアカンはずなんやけど、それを嫌がってる自分が存在している。
「良かったやんおめでとう」と言う自分と、「何でその女を選んだ!!」と言う自分。醜いと分かっていてもどうしても制御出来へん。
7年前の大晦日に田村はんと(ストーリー上)キスした時ですら勝手に取り乱して、挙句にわいを宥めようとした細谷はんをぶっ刺すなんていうことをやらかした身としては、それが一番怖い。
(あいつもあいつで身を張ったボケをかましやがったし、ほんまシャレにならへん・・・)
そんなわけで、暫く情緒不安定な気持ちのまま、5月の『ラジプリ』は始まった。
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