現実(リアル)と空想 〜 パラレル 〜 2

□第四章 Re:start 3 〜 晩春 〜
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本社に戻った田村は、すぐにプログラムの調節へと移った。








繋がれたコードの先には、スタンバイモードになっている彼女の武器が置かれている。










(何処まで強化出来るかしら)









今でも充分威力はあるのだが、それでは足りないと自覚していた。










田村は険しい表情のまま、キーボードを打ち始めた。








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翌日の朝、甲斐田は険しい表情を浮かべて皆川に話をした。










「純ちゃん、あんたはどうしたいの?」
「どうって、田村さんのこと?」
「それもあるけど、この際キッパリと諦めたら?これ以上田村さん達に負担を掛けられないわ」










佐姫の件についてはその裏にある翔太の過去があったからこそ実行出来たのだが、今回は特に何もない。











これ以上過去にした“約束”に縋っていると、両者共倒れする可能性があると甲斐田は思った。








それを理解した皆川は、少し顔を俯かせて返事をする。









「・・・ちゃんと、話してみるよ」
「そうしなさいな」










『ここにいたい』と思うことが、どれだけ辛いことなのかこの2ヶ月間で良く分かった。











皆川は甲斐田が入れてくれたミルクティーを、一口飲んだ。
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