現実(リアル)と空想 〜 パラレル 〜
□第二.五章 ライバル登場!?
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―――2005年
「はあっ。夏は疲れたぜ・・・。ウイルスを植え付けた相手は特定できねぇし、皆川の精神安定も時々極度に不安定だし。更には―――」
岡野は、一枚の書類を見て溜息を深くする。
「12月から、始まるのか・・・。『アイシールド21』」
それは、入野のプロフィールだった。
―――2005年 10月
「皆川さん、とも子さん。こんばんは」
「こんばんはえりりんっ♪」
「えりりんって・・・、まあ、良いですけど」
刀の構え方や性格の豹変など、皆川と若干似ている部分が次々と明らかになっていた喜多村は、それ以来皆川や川上とよく話をしていた。
「そういえば、12月から、私の前にジャンプ作品が入るんですよ?」
「へぇ〜〜、何?何?」
―――この時、番組構成は以下のようになっていた。
定番の六時半蔵は完全子供向け。
今のジャンプ系が入るようになったのは2008年の番組改編時からだった。
次に、現在:LEVEL22の枠だったメガゾーン。
10時は少年漫画が中心で、10時半から大人向けのディープな作品となっていた。
ちなみに“GEKKIN7”は、2008年の番組改編時に出来た枠だった。
―――
「確か・・・、『アイシールド21』とか」
喜多村がそう言うと、皆川の眉間にしわが寄る。
「マジ!?あいつ、此処にくんの!?」
「前来ていらしたんですか?」
「マラソン放送時に、特番枠として・・・」
「そうだったんですか!お二人の顔なじみとか―――」
「そんなんじゃ・・・、ない!!」
「へっ!?」
級に大声を出した皆川に、喜多村は思わず驚く。
自分は今、何か間違ったことを言ったのだろうか。
「ご、ごめんなさい・・・。そういうつもりじゃあ・・・」
「あっ、ご、ごめん・・・。気にしないで?」
おどおどする二人を見て、川上は岡野と同じく溜息をついた。
(こりゃ、厄介なことになるぞ・・・)
片や3年半の皆川と、絶賛放送中の、終わりの見えない入野。
これから先起こる波乱の始まりに、思わず引き笑いした。