アニマックエスト 〜堕ちたテンシと目覚めのウタ〜

□最終章:“世界”の果てで。
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とも子はんの【バグ】は、更に話を続けた。





バグ:「元々私は“コンピューターウイルス”としてここに送り込まれたけれども、いつの間にかこの人物と同化させちゃってねぇ。んで同時にもうウイルスとしての働きをするのが嫌になっちゃってちょいと横道に逸れてみたの☆」
おかの:「ま、マジか・・・、國分さんの最新セキュリティーを掻い潜ってたのか・・・」
バグ:「いんにゃ、その前からだよ。ギリギリ侵入出来たってこと☆」
みながわ:「今まで検知されずにここまでやったってこと!?川上のデータを乗っ取った状態で!!」
バグ:「そうそう♪んで探る中、作りかけだったこれを見つけたの。“ゲーム”って言うんでしょ?要は《自分好みに出来るナンデモアリな世界》」







本人以上に不敵な笑みを浮かべ余裕を見せる【バグ】に、田中はんの姿とダブった。







やはりあの力の元凶はこいつかいな・・・。






おのさか:「おい、てめーが俺らを呼び寄せたのか?」
バグ:「うんそう。作っている内にどうしてもプレイキャラが欲しくてねぇ〜〜〜。データを調べたら見合った人がわんさかいて面白かったよぉ♪まあ、あの杉田って人は予想外だったけど」
かいだ:「そもそもあなたの目的は何なの?本社の乗っ取りかしら?」
バグ:「・・・そんなのもうどーでもよくなっちゃった。私はただ、この設定にふさわしいポジションになろうって思ってね」
すぎもと:「ふさわしいポジション・・・?」








そこまで来て、あの異様な靄が少しずつ薄れていく気がする。






つかもうここは“終わりの場所”なのだ。他に何があるというやろうか。











バグ:「―――そう、この“世界”の【ラスボス】、だよv」








そこでやっと、【バグ】は最後の【鍵】を取り出した。







バグ:「これで全て揃うんでしょ?だったら私と戦いなさいな」
ながい:「何でそんなことをしないといけないんですか!!勝手に乗っ取られているのに!!」
おおたに:「けど戦わないと・・・、この世界に巻き込まれた人も、そしてとも子ちゃん自身も助からないよ・・・」
みながわ:「岡野!!ワクチンはないの!?」
おかの:「いや、ワクチンなんて最初からアイテム入れに無かったぞ。つか今の今まで存在そのものを忘れてた・・・」
おのさか:「うっわ最悪やないか」







もはや後戻りも逃げることも出来ない。ゲームとは言え“リセットボタン”は初めから存在してへんのやから・・・。






ここまでずっと無言だった直純はんが、キュッと歯を強く食いしばらせた。








たかはし:「・・・何が何でも終わらせるって決めたんだ。―――だったら俺は、何が何でも貴女と戦う!!」






誰よりも非力なのに、誰よりもしっかりを前を見据えている。






バグ:「彼はやる気だけど、どーするの〜〜〜?」
かいだ:「・・・こいつにここまで言われて、簡単に引き下がれるわけないじゃないの」
ながい:「みゃあっ!今の一言で目が覚めましたよぅっ!!」
おおたに:「直君の言う通りだよっ!!おんなじことを2回言おうがその通りだよっ!!」
おのさか:「あえて指摘すんなや。本人はかっこつけたつもりなんに」
すぎもと:「いやそうでもないみたいやけど」
おかの:「・・・絶対に取り戻してやるからな、川上」
みながわ:「ほんとね、マイナスなことばっかり考えちゃ駄目ね」






直純はんに答えるように、わいらも武器をしっかりと【バグ】目掛けて構える。









「――――――みんな、行くよ!!」
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