アニマックエスト 〜堕ちたテンシと目覚めのウタ〜

□第9章:招かれざるもの。
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・・・いつの間に意識が落ちてたんやろ・・・。






わいは何とか意識を覚醒させようと、身体に信号を送り続けた。






すぎもと:「・・・ぅっ」





あの後どこかに落ちたようだが、塊から元に戻った羽根クッションのお陰で痛みや怪我は無かった。






すぎもと:「―――あっ、直純はん!!?」






急いで直純はんの姿を探すと、一人だけ木の枝にぶら下がっていた。







たかはし:「あ、起きました?良かったぁ〜〜」
すぎもと:「・・・大丈夫ですか?」
たかはし:「アハハハハ・・・。ゴメン、助けてもらってもいいですか?」
すぎもと:「それ位別に構いませんけど・・・」






思わず標準語に戻ってしまうほどの光景だったが、直純はんが助けてくれなかったらわいは一人でこの樹海を彷徨う羽目になっていたから、丁重に助け出す。







たかはし:「いやぁありがとうございますぅ」
すぎもと:「何で木の枝に引っかかってたんや?」
たかはし:「多分地面に叩きつけられた弾みで俺だけ塊の外に弾き飛ばされちゃってねぇ。片足だけ引っかかってて助かったよ」
すぎもと:「そのまま意識が戻らなかったら落ちてたもんなぁ」
たかはし:「ほんとほんと」






のほほんと話をしているが、この周辺に関してめちゃくちゃ違和感がある。





前に地図で確認した時にはこんな樹海なんて存在しなかった。つまりこれは温泉街同様後で作られた場所なのだろう。






たかはし:「最後の最後で妨害ってことですかね?」
すぎもと:「そうやろなぁ。あの羽根はスイッチやったんかもしれんし」
たかはし:「困ったなぁ・・・。俺ら通信機能なんて使えないですし」
すぎもと:「他のメンバーが無事かどうか気になるけど、手がかりがなぁ・・・」






ふと、何かがわいの腰周りに触れてザワリとした。






すぎもと:「ひゃああっ!!!!!」
たかはし:「!?」
ほそや:「いいえ、直純さんナイスですよ。俺と杉本さんを分離させなかったんですから!!!!!」






突然飛び出してきた細谷はんが、わいの腰に手を当てて空いた手でグッジョブサインをしていた。






つか何か手つきがやらしい!!思わず抜けそうな力を何とか踏ん張り、わいはハリセンを顕現した。







すぎもと:「何すんねんこのボケぇっ!!!!」
ほそや:「ぶふんっ!!」
たかはし:「ん?細谷君が出てこられたって事は―――、よしっ!」






直純はんは何か思い当たると、“ともだちてちょう”を片っ端から使う。







岡村はん&シロンに井上ニャンコ、敦子はんにだーます君と、契約したメンバーが出揃った。






おかむら&きたむら:「どうかしたんですか?」
ますだ:「あっ兄さん!!」
ほそや:「おーっ、だーますもいたのかっ!」
すぎもと:「そういえばまだ鉢合わせてなかったな」






急に賑やかになったところで、直純はんは案を出した。






たかはし:「岡村さんと和彦さんには、空から永井さん達と探してきてほしいんですよ」
いのうえニャンコ:「もしかして、俺もかい?」
たかはし:「ええ。確か空も飛べましたよね?」
いのうえニャンコ:「元の姿に戻れば飛べるけど・・・、ほんと直ちゃん人使いいや、ニャンコ使い荒いよねぇ」
シロン:【ガガガッ(うるせーんだよっ)】
ほそや:「とっとと手伝えよ駄目ニャンコ!!」
いのうえニャンコ:「にゃにおうっ!!?」






危うく細谷はん&シロンVS井上ニャンコになりかけたところで、敦子はんがトドメを刺した。






たなかニャンコ:「あんたの意味不明な文句は微塵も聞きたくないの。早くしないと時間が無いわよ?」
いのうえニャンコ:「う、うぐぐぅっ!!?」
おかむら:「ハイハイ、シロン行くよーっ。ニャンコ(つうしんき)の方も早く来てね」







岡村はんがシロンを元の姿に戻し空へ飛び立った後、遅れて井上ニャンコも反対側の空へと飛んでいった。
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