アニマックエスト 〜堕ちたテンシと目覚めのウタ〜
□第4章:カフェとバーと食堂。
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あれ以降更にレベルアップ+強化されては来たが・・・。
「そろそろジョブチェンジ出来ないかしら。私勇者じゃないのに“ゆうしゃ”って御幣が生じるし」
「そうだなぁ。純子が可哀想過ぎる」
「私はコスチュームをチェンジしたいわ。この服だと戦いたくないし」
「戦闘に参加せぇへんかったのは服が嫌やったんかいな!!」
「だって、これちょっとのことでスケスケになるんだもの。恥ずかしいわ」
『ん〜〜〜、目的の地に職業案内所とか大きなお店があるそうなので、そこでチェンジ可能かと』
「俺はこのままの方がいいなー。むしろ変えたくない」
「無理してジョブチェンしなくても良いと思うよぉ〜〜、私もこれで良いって思ってるし♪」
「みゃあっ!私もですっ!!」
とりあえず話し合いの結果、純子はん・小野坂はんがジョブチェンジ、わいと甲斐田さんは衣装チェンジをすることにした。
そして、後のメンバーはそのままがいいということになった。
「いや流石にこんな一昔前のコントみてーな衣装、恥ずかしいもん・・・」
「そんなことないですよ杉本s「ハイ戻って。」
ちょっ、細谷はん勝手に出てこられるんかいな。恐ろしいわ・・・。
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目的の街に到着してすぐ、乗り物の元へと向かった。
先に移動手段を確認せんとな。
「おーっ!?新幹線かよっ!!」
「リニアじゃねーのかよっ!!」
「リニアモーターカーだと維持費高いからじゃない?」
「維持費の問題かいな・・・」
「いや、結構大事な問題ですよ。こういうのに街の税金いくらかかっているか」
「直兄ぃっ!!!!?」
「目が怖い・・・」
「直君そーゆーの煩そうだもんねぇ〜〜」
路線を確認すると、だーます君目的の街の手前まで一気に進むことが可能だった。
ここで一気に進めてもええな。どーせ【鍵】が眠る洞窟はその街の先にあるし。
「んじゃ、各自各々やることをやりましょ〜〜〜」
「「「「「「「「おーっ!」」」」」」」」
駅を出ると、突然謎の3人組?というか、ガチ勇者の格好をした男性+変なマスコットキャラ2つに絡まれた。
その男性は剣を抜くと、だーます君に切っ先を突きつけた。
「まっすーぅううううううううっ!!!!!!」
「うぇっ!!?ばばりょ!!?」
「えっ、ますとしの知り合い?」
「知り合いも何も、ミュの共演者で・・・」
「戦うんなら相手になるでぇ。血の色に染めてやるよ」
「まっ、待って待って。別に殺意があるわけじゃないし。つかこんなコテコテした勇者衣装久しぶりに見たわぁ・・・」
純子はんの言う通り、彼は別に戦おうというわけではなさそうだった。むしろ怒ってる?
「あれ?ブチョヘンザとテボちゃん・・・?」
「あっ永井さぁん!!ご無沙汰しとりまぁっす!!!!!」
「相変わらず煩いですねぇ」
「ん?君さ、前に俺と会ったこと、ない?」
ふと、直純はんが馬場君(と言うらしい)を見て首をかしげる。
「ぅえっ!!!!?あなたは何時ぞやの―――!!!!」
「お久しぶりぃ〜〜〜、君も巻き込まれたの?」
心配する直純はんよりも彼はすばやく土下座した。もはや神業である。
「すんませぇええええええん!!!!!お帰りください!!お帰りくださいぃいいいいい!!!!!」
「お、落ち着いて?いきなり人に切っ先向けるのはどうかと思うけど、それよりも君、【鍵】って持ってない?」
何とか冷静さを取り戻したのか馬場君は顔を上げるも、首を左右にゆーっくり振った。
「いえ・・・、わたくしはそういうもの、何一つ持っておりませぬ・・・」
「何か急に弱くなったなこいつ」
「ばばりょはこういう人なんです・・・。許してください・・・」
「けど、【鍵】が持っていないのにいるのってどうなんや?」
「彼はNPCではない別のポジションとして呼び出されたんだと思いますよ?」
岡野はん曰く、実在する人物ではあるがこの話には直接関係ないポジションだと。
じゃあ何故だーます君に絡んできたんやら・・・。あと一体直純はんと何があったんや。
「ほみゃっ!!ブチョヘンザ(南君)が!!!!?」
「ほあっ!!?」
ふと声がした方を見ると、ブチョヘンザ(※何か横にペラいパチモン紳士みてーなヤツ)が駅にやって来たタクシーに乗せられていた。
何の抵抗も無いまま、彼を乗せたタクシーはどこかへ発車して行った・・・。
「おおーいっ!!圭ちゃあああああああん!!!!!」
『たいへんっ!はやく、たすけにいかなくちゃっ!!』※裏声。
「ふおっ!!?そいつ喋んのか!!?」
「渡辺大輔君という方です」
「だ、誰や・・・」
「ああこの三人、全員手塚役なんですよ」
「置鮎君が三人やとぉっ!!!!?」
「いや違うって」
短い足とは思えぬほど全速力で追いかけていったテボちゃん(渡辺君が中に入ってるらしい)を追いかけるように、馬場君も走って行った。
「・・・結局、絡まれた理由はなんやったんや?」
「アハハ・・・、多分、寂しかったのかと。知ってる顔がいなくて」
「はた迷惑な人だねぇ」
「いや、俺は彼らの気持ち分かりますよ。俺ももしあんなんだったらぜってー寂しかった」
「パートナーがマスコットですもんね」
とにかく、今度こそ職業案内所とデパートへと向かった。