アニマックエスト 〜堕ちたテンシと目覚めのウタ〜

□第3章:偽勇者。
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翌朝、流石にこのままじゃ不味い!!とわいらは一気に3つ先の街まで向かうことになった。






それは何故かと言うと、先へ進めていないのとレベル&スキルアップの為。流石にここら辺は戦いつくしたからなぁ・・・。







「みゃーはぁー・・・、昨日はお酒が飲めなかったのが寂しいぃ・・・」
「あはは、永井さんあの街の酒ガブガブ飲んじゃうから、なくなっちゃったんだよ」
「さっちゃんほんとお酒好きだねぇ〜〜〜。アル中にも程があるよぅ」
「お前、血液アルコールなんやないの?消毒液になってたりしてな」
「沸騰の度合いを超えた!!!?」
「マキロンもビックリですね」






まあこんな他愛もない会話を繰り広げつつ、引き続き行方不明者の捜索と【鍵】の回収を行なっていた。






『この先にある洞窟内のアイテム、情報が分かったっスよ〜〜〜』
「おっありがとう!!」
『早速データ送りますね』







國分はんから分析情報を貰うと、一番困難な場所に鍵らしきアイテムが置かれていた。





うむ、重要アイテムあるある。



もしくは大体こういうところにボス系のキャラがいるんやろうなぁ・・・。細谷はんのように不明者がボスキャラになっている可能性もあるし。








「とにかく、今は3つ先の街へ行くことに専念しましょ。洞窟はその先にあるし」
「まあ早く武器強化してーよな。弾丸追加出来ねーのはつれぇ」
「私もそろそろ刃がボロボロになってきたしなぁ・・・。早く磨いであげたい」







各自強化系アイテムを拾っているものの、元から身につけられるものばかりやなかった。





何かと何かを掛け合わせないと出来ないので、その場合街の中の武器屋に行って作ってもらわないと意味が無い。







・・・ちなみに、最初の街にそんな重要な店はなかったよ?せやから余計焦ってるんや。







暫く歩いていると、幸子はんが急に立ち止まった。





「―――みゃっ?」
「幸子はん、どないしたんや?」
「今、助けを呼ぶような声が聞こえたので・・・」
「えっ!!?この近く?」
「いえ近くはないのですが、・・・何処だろう・・・」
「魔王に助けを求めるなんて、余程の命知らずなんじゃないの?もしくはテレパシー使う相手を間違えたとか?」
「不思議な感じね」
「・・・みゃあ」






結局声の主は見つからず(そもそもこんな何も無い道中で人がいるわけないし)、再び歩き始めた。





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今までの遅れを取り戻すように、わいらは一気に3つ目の街へと到着した。





その途中で、道端に落ちた不思議な黒い羽根を何枚も拾うことが出来た。





「何でしょうねぇ?これも武器強化に意味があるとか?」
「ん〜〜〜、何か、嫌な予感がする。」
「せやな、魔力、か?」
「悪魔の落し物、とか?それってマイナスアビリティーつけるんじゃないの!!?」
「これも同時に分析しようぜ。國分さん出来るか?」
『ん〜〜〜、そんなアイテム、分析した時には書いてなかったんですけど・・・』
「えっ!!?」
『宝箱と同時に道中に落ちているアイテムも分析しておいたんス。けどそんな黒い羽根なんてありませんでしたよ』








それに、ドンドンパーティー内の空気が重くなる。




これ、本当に持ってても大丈夫なんか・・・?







「嫌な予感はするけど、多分大丈夫だよ」
「みゃっ!!?」
「おい、俺らを仕切る権限はお前にあるけど、最悪これが原因で何かあったらどないするんや」
「何か、これ持ってると同時に懐かしい感覚もするんですよ。だからきっと、悪さはしないかと」
「懐かしい・・・?」
「確かに、親しんだ感覚だな」
「じゃあもしかして、この羽根の持ち主は不明者!!?」
「それならその羽根から気配を辿って見つけることが出来るわね」
「だから、捨てるよりも持ってた方が後々この世界にとって重要なものになると思います」






直純はんの意見で、とりあえずこの羽根を捨てるのは止めた。





しっかし、白い羽根なら該当者が多いけど、黒い羽根、かぁ・・・。






一体、誰なんやろうな。
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