アニマックエスト 〜堕ちたテンシと目覚めのウタ〜

□第2章:早くもパーティー決別!!?
1ページ/7ページ







翌朝、目覚めるとわいらの元に手紙が届いていた。






『君らが選ばれた【鍵】とは異なる【鍵】が、全部で12本存在する。それらを全て回収し一つにまとめよ』






「・・・わぁ、一気に難易度が上がったぁー」
「回収しろって、その鍵は一体何処にあるのよ・・・」
「この手の場合、洞窟内にある宝箱の中とか、あとはボスクラスが持ってるな」
「ボスクラスって、中ボスとかラスボスとかか?」
「みゃー、私は持ってみゃいですよ?」
「永井さんは今回ラスボスじゃないですから・・・。つか大体皆川のせいだろが」
「ちょっ!!?何故急に人のせい!?」






國分はんに引き続きナビゲートを行なってもらいながら(これも岡野はんのハッキングで出来るようになったんやって)、次の街へと向かうことになった。







『えっ!?もうそっち1日目終了したんスか!!?』
「あ、ああ。そーみてーだな。ベッドで寝たら朝になってた」
『こっちはまだ1時間も経過してないっスよ』
「マジかよっ!1日=1時間じゃないってどんだけ・・・。おかしいだろ・・・」
「昌也落ち着いてっ。きっと私達早く休み過ぎたんだよ」
「昨日は戦い続きで疲れていたもの。仕方ないわ、このへっぽこ勇者のせいで雑魚相手でも容赦なく狙われちゃうし」
「う・・・」
「みゃー、甲斐田しゃんそれは余計な一言ーっ」
「そうそうっ!直君だって好き好んで勇者になったわけじゃないんだしっ!きっと“大赦”に選ばれたんだよっ!!」
「うわー、スッゴイタイミング・・・」






細谷はんが選ばれたとしても同じ結果になってたと思う。あいつもへっぽこやし・・・。






そう思いながらもちゃっかり落ちているアイテムを拾っていると、突然老人に声をかけられた。





「ああっ!あなた方は勇者ご一行で!!?」
「え、ええっ!!?」
「みゃーっ、直純しゃんしっかりしなさいなっ」
「そーだよっ!ハイハーイッ!高橋勇者ご一行でーすっ☆」
「大谷さんっっっ!!?」






ノリノリで直純はんをヨイショする二人とは別に、小野坂はんは顎に手を当て何やら考え込んでいた。





「こいつ、NPCだな」
「えぬぴーしー?」
「・・・ノンプレイヤーキャラのことだよ。まあさっきの街の連中といい、行方不明者じゃなく作られたキャラが多いなーと思って」
「確かに、これじゃ不明者を探すのは困難だよねぇ・・・」
「そこも狙いなんだろな。RPGの醍醐味はNPCでもあるし」






双方自由にしている中、老人は深刻そうな話をしていた。







「実は・・・、今私が住む村の方でならず者が暴れているという一報が飛び込んできまして・・・」
「ならず者?」
「盗賊とはまた違うのかなぁ?」
「その人は村人を片っ端から刃物で刺し、死においやっているそうで・・・。妻を置いてきてしまったことが心配で心配で・・・」
「あなたは、どうしてここに?」
「私は結婚した娘がここに住んでいるので、顔を見に来たのです。・・・妻の足さえ自由に動けば、一緒に来ることが出来たのに・・・」







・・・典型的なシリアスパートやな。




これも醍醐味の一つやけど、大体こういうパターンってそのならず者を退治するようお願いされるんやろなぁ。







「どうかお願いです!!あなた方でそのならず者を村から追い出してください!!」






ほら来た。これで >やる >やらないって出るパターンや。




選択権は直純はんにあるし、はてさてどっちを選ぶんやら。






「わ、分かりました。頑張ってどーにかしますっ!」
「ありがとうございます!!恩にきります!!」






・・・ダヨネー。つか、二人の圧力もかかってるし。






まあこういう依頼を引き受けると成功報酬はたんまり貰えるし。この先どうなるか分からんから、初期イベントはやっておいて損ではない。







その経緯を小野坂はん達にも話していると、小野坂はんは盛大にため息をついた。







「お前マジでお人よしやな。何考えてんねん」
「だって、何か困ってましたしぃ・・・。あと報酬は弾むって言ってましたしぃ」
「それは確かに大きいですねっ!!レベル上げもしたいしっ♪」
「・・・純子がそう言うなら、わぁったよ」






全員異論なしということで、早速その村へと向かうことにした。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ