06/10の日記
23:04
6月10日。
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◆追記◆
何が違うのかさえ、分からない。
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目が覚めたら何日後かしら?と思っていたら、普通に次の日だった。
と言うことは、私の意識は全く飛ばされていない。明らかに直純さんの時とは違うことが判明した。
(だって、後悔が原因なら、昨日の出来事から一気に時間が進んでもおかしくないのに、普通に眠れたし、普通に起きれたし、めちゃくちゃ翌日だし)
普通じゃない状況なのに、私は何度も“普通”を繰り返した。これはもう完全に現実逃避だな。
20年前と同じく実家に戻ってきて、当時はまだ健在のモモに大号泣して親にドン引かれて、部屋に戻って寝たのが昨日の出来事。
『私達、前にどこかでお会いしましたっけ?』
・・・意識が浮上すると、つい思い出してしまう。
(川上が、私のことを全く覚えていなかった。冗談抜きで赤の他人だと言う感じだったし)
思い出すと、また精神的にダメージを喰らった。当時は何とも思わなかったけど、きっと私に声をかけた川上もこんな感じだったのかな・・・。
(参ったな。川上が元の川上のままだったら、すぐに現状を打開出来たのに。・・・とりあえず、知った奴を見つけるしかないな)
今の私に浮かんだことは二つ。
一つは、昌也達に事情をある程度話して、助けを求めること。
二つ目は、この時はまだ出演が確定してはいないが、永井やほそにゃん等、“世界”そのものに干渉が出来る人物に協力してもらうこと。
(永井は喜安君に話せば、会わせてもらえるかもしれない。ほそにゃんは・・・、当時は何処でバイトしてるんやら・・・。コンビニだっけ?コールセンターだっけ?情報が無さ過ぎる!!)
そうと決まれば、まずは一つ目を実行するしかないっ!!
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「あ?何言うとんねん、アホか」
あ――――――っ、当時の昌也は私に不信感を抱いてたんだった―――っ!!
ついいつものノリで話しかけたら、めちゃくちゃ逆効果だった。
「えっと・・・、その、私っ、本当は20年後から来てて」
「・・・つまり、未来人って言いたいんか?」
「意識だけで言うなら。はい」
うーん・・・、今の昌也だったらこう言ったら必ず協力してくれるけど、信頼度ゼロの状態では結構厳しいなあ。
「お前も“所有者”って言うなら、何か“力”を見してみ。こんな風に」
そう言って、昌也は何も持っていなかった手に、拳銃を一丁顕現した。
「分かった。―――えいっ!!」
私も続けて刀を出そうとしたその時、激しい頭痛が襲った。
“力”を使わせまいと言うように、ギリギリと痛めつけてきた。
「ぅあっ!!?」
頭痛が治まるまで座り込んで、ようやく落ち着いたところで昌也を見ると、呆れた顔をしていた。
「・・・お前、そんな状態で俺に声をかけてきたんか」
「っ!!まさっ」
「見込み違いやな。他を頼れや」
座り込んだままの私を見捨てて、昌也は帰って行った。
川上に続いて、昌也にも見捨てられ、一層絶望感が増す。
(“力”を使おうとしたら、さっきのように頭痛がしてしまう・・・。それに、どれだけ事情を説明しても、証明出来なかったら意味がない)
もっと違う方法で外堀を埋めてゆくしかないと思えたのは、私の負けず嫌いからか。
―――・・・ただ、何が違うのかさえ、全然分からなかった。あの時と全く変わっていない空気だったから・・・。
2021/06/10 23:04
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