ジョジョ(スタプラ・承太郎etc)
□それは内緒の 2
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スタープラチナと夜の縁側デートが始まって一週間。互いに何をするわけでもないが、あの星はなんだろうとか私にもスタンドないのかなーとかありきたりな会話(一方的に)をしている。スタープラチナは私が名前を呼んだり、教えたことを理解して頭をナデナデすると嬉しそうにして、なんだか犬を見てるみたいで可愛い。
「スタープラチナは人間じゃないってのはわかってるんだけど、こうして喋ってるとあなたのことがすんごく気になる」
それが恋とかそういうことかはわからないけれど、どう思い私とこうしていてくれるのかという疑問。そう言われてもスタープラチナはただ困るだけだろうけれど。
「私と一緒にいるのは好き?」
隣で正座している彼は小さく頷いた。
「素直すぎ。本当に承太郎のスタンド?」
クスクス笑う私を見て不思議そうな顔をする。承太郎だったら不機嫌そうな顔をしてスルーしていくところだろう。
「承太郎ったら高校にはいってなんだか口も悪くなって、小さい頃はスタープラチナみたいに素直だったのに」
懐かしくなって、小さい頃の承太郎を思い出す。可愛かったななんて笑っていると、スタープラチナの手が私の頬に触れた。たまにこうする。こうすることが好きなのかな。
「どうしたの?」
彼の方を見るとすぐ近くに顔があった。突然のことでドキッとしてしまう。整ったその顔は無表情なんだけど、何処か不安げで。
「もしかして妬いた?」
スタンドにも激しい感情があるのだろうか。じっとスタープラチナを見つめていると、顔が近づいて。
キスされた?
「スタープラチナ…?」
呼べば少し顔を離して、唇を動かした。
ー・・・ゆうさ、スキだ
そう言った気がした。
それを理解するより先に今度は抱きしめられた。流石にこの状況を冷静に考える余裕はなくて、ただ激しく鳴る心臓の音がやけにうるさかった。顔を首元にうずめてくる。くすぐったい。
「こ、こら!スタープラチナ、ハウス!」
恥ずかしくてつい犬を扱うようになってしまう。だけどスタープラチナはそんな言葉にお構いなしに頬にキスをする。
(あー、好きって聞いたのがいけなかった?)
強く抱きしめられて身動きの取れない私は少し冷静になって、でもこの状況を嬉しくも感じてたりする。彼は表現するのがすごくストレートなんだと。
「もうー、二人の秘密だからね?」
そう言うとわかったと言うようにもう一度キス。
「…んっ…ふっぁ」
今度はすごく長くて唇を舐められたりして、どこでこんなことを覚えてきたのと、いつもと違うスタープラチナにこっちが照れる。自然と回された手が腰のあたりを支え始めて、これはやばいんじゃないかと思った瞬間。
(ん!…消えた?)
スタープラチナは消えた。後ろ手の縁側の方に両手を付く形でなんだったんださっきのと固まっていると、障子の開く音が聞こえた。承太郎だ。
「姉貴、また起きてんのか」
「あははh、なんかね…」
ごまかし笑いをしつつ、ゆっくりと顔を逸らす。今の私はもしかしたら顔が赤いかもしれない。それに弟のスタープラチナとキスしてたなんて、なんだか申し訳なさでまともに見れない。
「もう、寝ようかなー」
「…あぁ。おやすみ」
ささっと自分の部屋に向かう。あれ、おやすみとか最近まともに聞いたことあったっけ。姉として弟の優しさに答えてあげねば。
「おやすみ、承太郎」
部屋に入る前にふと見ると、承太郎が顔を手で隠していた。なんだろう。だけど互いに部屋に戻ってしまったのでもうあれがどう言うことだったのかわからないままだった。
あれからスタープラチナは軽くキスをして来ることはあっても、情熱的な行為をすることはなかった。私はほっと安心。なんか好奇心みたいなものだったのかもしれない。