うさぎちゃん
□泣き虫ライダー
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「ただいま。」
兄さんが暗い顔をして帰ってきた6時半。
暗い顔というか、顔色が良くない。
「お帰りなさい。
どうしたん?気分悪そうやけど、」
「なんでもない。疲れたんや。」
「そう。」
「寝るわ。」
僕に背を向けて、そう言うと兄さんは二階へ上がっていった。
嫌な事があった日、兄さんは自分の部屋へ籠もって眠ってしまう癖がある。
「兄さん」
兄さんの部屋の前でドアにノックを三回ほどした。
コンコン
自分の手の甲の骨がぶつかる音がする、コンコン。
「兄さん、入るで。」
返事も聞かないまま、僕は兄さんの部屋へ入った。
*