うさぎちゃん
□薔薇と執事とチェッカーと
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僕はロマンチストなお嬢様にお仕えしている執事だ。
本当は、お坊ちゃんなのにロマンチストなお嬢様は、「お嬢様」と呼ばないと返事をしない。
艶のある黒髪に映える白い肌、薄桃の頬。
丸い茶色の瞳にくるんと踊る睫毛。
上品な鼻に、真っ赤で肉厚な唇。
体つきは華奢で、柔らかな腰つきはやはり、お嬢様。
踊りも、歌も、パーティーも大好きで、利口なくせに勉強は大嫌いなお嬢様は、今頭の上で輝く星に夢中。
ロマンチストなお嬢様はいう。
「あの中のちいさな星を取ってきて頂戴。」
ここへ持ってこいとお嬢様は僕の前に手を差し出した。
これだからロマンチストなお嬢様には参ってしまう。
星なんて物を持ってこいだなんて僕に死ねと言っているのと同じですよね?お嬢様。ねえお嬢様。
「ちゃんみん」
「はい。」
「あの一番寂しそうな星を取ってきて。」
「………」
「お返事は?」
貴方のためなら。
お決まりのセリフは数秒後。
end