うさぎちゃん
□雪色の記憶
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「ちゃみ…雪が…。」
いつから降り始めていたのか。
窓の外の冷たい真冬の景色に粉雪が散っていた。
あたたかい腕で俺を包んでいたちゃんみんはゆっくり顔を上げて、窓を見上げる。
それからふっと笑って俺の濡れた前髪を長い指で分けた。
優しい目をした彼に腕をまわして抱きつくと、その身体が自分の身体へ沈む。
「……寒いです…」
「ふふっ…
早く服きなきゃ。」
二人の数分前吐き出した欲が肌に擦れあう。ぬるぬるした。
彼の首筋へ吸い付いて、痕を残す。
俺と交わった痕。
何度も何度も張った肌に噛みついて、たくさん痕を残した。
腕をまわした背中には自分が刻んだひっかき傷。
指先で傷の深さが感じ取れた。
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