しょーと

□雨桜
2ページ/5ページ






「………ん…」


雨音がポツポツと屋根に跳ねる音がする。

いつのまにか眠ってしまったらしく静かな部屋の中に一人、眠っていたらしい。











ふらついた足取りで窓によって真っ黒な夜を眺める。



「あれ…」


何も見えない暗黒の世界に映る僕の頬は濡れていた。













「チャンミン…」






背後から温もりを感じた。

振り返れば溶けそうなほど優しく微笑む貴方。




「チャンミン…泣いてるの?」


「…泣いてなんか…っ…」


「うそ、泣いてる。」


ユチョンが僕の濡れた頬に口付ける。



「……ん…ッ」




唇は額、鼻の頂、そして唇へ移動する。





唇が離れ、ユチョンが言った。



「…外はね、桜がさいてるんだ。」

「今から見に?」

「もう暗いから駄目。
明日の朝、見に行こう?」

「はい。」





そしてユチョンの温もりの中で眠った。

















次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ