小話纏め-3

□【ミルクティーみたいな君】
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終業まであと少し、俺は報告書の仕上げに追われていた。エリックさんは当てにならない。

エリックさんとパートナーを組んでまだたったの数ヶ月だが、それだけはすぐに分かった。

回収には早々と出るくせに、デスクには殆ど寄り付かない。たまに居ると思ったら、居眠りしてる。

でも、誰にでも得手不得手があるものだ。こう悟るのには、三日で済んだ。

エリックさんに新人教育を受けて、彼の、人を寄せ付けないようでいて、部下一人一人にまで気を配るような、優しさに憧れていたから。

俺は、エリックさんみたいな死神になりたかった。彼とパートナーになりたい、と人事課に強く申し出たのは俺だ。エリックさんみたいに強い死神には、普通パートナーはつかないが、報告書を溜めるのが悩みの種だった人事課は、すんなりと組ませてくれた。

エリックさんの、完璧じゃない不器用な所を見て、俺は余計彼に憧れた。

…いや、違う。駄目な所に憧れる、って言葉はおかしいな。何だろう…。可愛い、かな。思って、あの強面で髭のエリックさんを可愛いなんて、と一人苦笑した。

報告書は、あと一枚。休憩室に向かうと、エリックさんもそこに居た。

【ミルクティーみたいな君】に続く。

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