頂きもの-2

□Fake kiss・SS(紫音様より)
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「アラン、ちょっといいか。」

午前の終業の鐘の鳴った後。エリックさんに手招きされて連れて行かれたのは、主が不在の医務室だった。


【Fake kiss】


「先に謝っとく、スマン!!」

パンッと音を立てて身前で両手を合わせるエリックさんに、俺はただただキョトンとしていた。

「ど、どうしたんですかエリックさん!!」

次の瞬間、ループタイを引っ張られたかと思うとカチャリと眼鏡のフレームがぶつかる音と同時に彼の柔らかい唇が触れた。

「!?!?////」

俺は突然の出来事に声も出せなかったけど…

「よし、飯行こうぜ。」

この日のエリックさんは、一体何をしたかったんだろうか。

頭の中はハテナで一杯だったが、嬉しくないって言ったら嘘になるから特に触れなかった。

たまには、こんな事があってもいいかな。



ー+ー+ー+ー+ー+ー+ー

「クッソ。アルクスの奴、何が『知り合いが4周年だから祝ってほしい』だ。俺達は見世物じゃねぇっつの!」

終業後の更衣室。一人先に荷物を取りに来たエリックは怒りを露にしていた。

「リリスの奴も簡単に医務室を貸し出すなよな。」

『私ベッドに隠れてるからさ、アラン君とのキスシーンヨロシクね。じゃないとあの写真ばらまくわよ?(はぁと)』

はぁ…。

「脅してんじゃねーよ、ったく。アランは俺のもんだ!!」



ランチタイムの終了間際。
アルクスが隠れて撮影していた上の写真が、疾風の如く秘書課の腐女子同盟で高値で取引され始めていたことを、エリックは知らない。

『アルクスちゃんはイイ仕事するわね。ん?部屋ならいつでも貸すわよ?』

黒幕は勿論…?
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