小話纏め-2

□【雨のち…】
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「タナボタだったっけか?」

エリックの疑問符に、アランが答えた。

「タナバタ、だよエリック」

「そうだそれ。昼間、ロナルドが何とか坊主を配ってたよな」

「てるてる坊主」

如何にエリックがロナルドの話をいい加減に聞いていたか分かって、アランは笑った。だがエリックは、自分で作ったビーフシチューを平らげながら、憤慨する。

「だってロナルドの奴よ、お前にウインクなんかしやがって…」

アランが、その小さな嫉妬に、照れくさそうに、しかし反面嬉しそうにも笑んだ。

「アレは、そういう意味のウインクじゃなかっただろ。分かってる癖に」

「分かってたって、腹が立つのは仕方ねぇ」

むっつりと言い放つエリックに、アランは呆れた風を装いながら、幸せなため息をついた。

【雨のち…】に続く。

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