その他CP-2

□【病める時も健やかなる時も】
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「はぁ…あれ…?」

協会の空調は最新設備だったが、妙に汗ばんで、エリックは元々肌蹴ているシャツの胸元をパタパタと指先で摘まんであおいだ。身体もだるく、熱っぽい。

(風邪でもひいたかな。…確かに昨日、ちょっと張り切り過ぎたからな)

昨夜の情事を思い出し、ひとりニヤリと片頬を上げる。そんなエリックをアランはずっとうかがっていた。

医務室で昼寝でもしようかとエリックが立ち上がると、

「あの…エリックさん!」

「ん?どうした、アラン」

「すみません、一緒に備品庫に来てくれませんか?俺じゃ手が届かない物があって…」

「おう、お安いご用だ」

可愛い後輩の頼みにエリックは笑って、アランの頭に掌をポンポンと置いてから、二人で備品庫へ向かった。

*    *    *

(そろそろ効いてくる頃だ)

「はぁ、はぁ…」

外れの備品庫への道のりを向かうにつれて、ヒト気は少なくなってくる。

「ちょっ…と待ってくれアラン、俺っ…」

備品庫の目の前まで来て、壁と胸に掌を当て、エリックは苦しげに歩みを止めてしまう。よろけるのを見て、アランは素早く彼に肩を貸し、

「エリックさん、大丈夫ですか?廊下じゃなんですから、取りあえず中に入りましょう」

とエリックの大きな身体を支え、言葉通りにした。後ろ手にカチャリと鍵をかける事を忘れずに。だが朦朧としたエリックはそれには気付けない。

「っかしーな…」

くらくらする頭を押さえ、前髪をくしゃりと握りしめているエリックの世話を、甲斐甲斐しくアランがやく。

「苦しいんでしたら、ネクタイとベルトは外しましょう。ねっ」

「おう…すまねぇな」
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