エリアラ-3

□【BURN/後】
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「え…?エリックさんが人間界へ?」

新年の大回収で膝を擦りむいた先輩、レイラ・ローズを医務室に送っている間に、エリックは潜入捜査に行ったという。おまけにこの後、レイラと組んで自分も潜入捜査だとウィリアムに聞かされて、アランは尋ねずにはいられなかった。

「あの…!エリックさんと次に会えるのは…!!」

「潜入捜査が終わってからです。貴方がたは、人事の指令に従ってから、Bという旅団に加わってください」

「は…はい…」

エリックとは、『姫初め』の中途で分かれてしまい、まだ身体が疼いている。堪えられるだろうか…。そんな風に思って返事に溜め息が混じるアランを、レイラが心配そうに覗き込んだ。身長は同じくらいだから、自然と距離は近くなる。

「大丈夫?アラン」

「あっ…はい!エ、エリックさんが心配で…」

頬を染めて口篭るアランを、レイラは内心微笑ましく見守った。

レイラは歌う事が大好きで、カラオケボックスでひとカラ中にグレルとばったり会って以来、カラオケ友達としてフランクな付き合いをしている。当然、ガールズトークは惚れた腫れたに行きつき、ウィリアムとの仲や、エリックとアランの事も知っていた。

もとより可愛い後輩と思っていたアランが、道ならぬ恋に身を焦がしていると思っては、自然と応援する気持ちにも熱が入った。

「潜入捜査なら、私一回やった事あるから大丈夫。あとエリック先輩だって、頭の回転が速いからきっと上手くこなすわ。早く終わらせれば良い事だから、人事課に行きましょ」

「はい、よろしくお願いします、レイラさん!」

必死に頭を下げるアランが、どんなにかエリックを案じているかよく分かって、レイラは安心させるように微笑んだ。

「大丈夫よ」
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