薄桜鬼
□―鬼は……?―
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「そのようなもの、なかったぞ」
風間は長いようで短い思考の後にぽつりと答えた。
「ただ、やたらと柊だけが散らかってはいたがな」
「うわっ、なにそれ!?
あーまさか、新八っつぁんじゃねーだろーな!!
あんだけ飯喰っといて、そこまで手を出すの、新八っつぁんくらいしかいないもんなー」
「新選組はよほど雑食が好きとみえる」
風間は嘲笑してみせた。
「てめーにあれこれ言われる筋合いはねぇよ!」
「そもそも邪気を祓う代物であるなら、効果あるのは妖や魑魅魍魎の類であろう? 我々鬼をそのような輩と一緒くたにするな」
「けっ、似たようなもんだろ」
「ふっ。そういうのであれば、貴様らが守らんとする我が妻も同類ということか」
「んなっ! 千鶴はちげーよ! それこそ一緒にするな
“男鬼は外ー!”」