テイルズ小説

□呼ぶ 名
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呼ぶ名−前編−

後編P8より


こんな話に付き合う事になるとは、ただ単に、
暇を持て余していただけなのかもしれない……


心虚なカイルとリアラは連れ立って、ラグナ遺跡に出掛けて行った。

ロニとナナリーは持ち前の性分のせいか、ルーティと共に子供達の相手やら食事の準備を手伝ったりしている。

ハロルドはイクラシフォーの改造をすると言って出て行った。


自分はというと――
特にする事を思い付かなかった。

かといって町に出掛けて、この風貌が故に周囲の好奇や畏怖といった視線を集めるのは避けたかった。
ましてや、孤児院に残って子供達の世話をみるのはもうまっぴらゴメンだった(面倒とも言う)。


宛もなく人気(ひとけ)のない森を散策して……
時折、そこにはいない“誰か”に語りかけている自分に気付いて自嘲する。



今こうしている自分を見たら彼は何と言ってくれるだろうか?


暫く歩いて広い空き地に出る。
そこにはイクラシフォーが佇んでいた。
けれどもそこには、肝心のハロルドの姿がなかった。
辺りを見回すと少し離れた所に、鮮やかな色を身に纏った人影が倒れていた。

(モンスターかっ!)

慌てて掛け寄って倒れている人物に声を掛けた。

「ハロルドッ!」

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