鋼錬MM小説
□序章
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序章
そう、
この世のモノでない色彩──
嫌な胸騒ぎがした。
出稼ぎから久方に家に帰ってきて。
ただのんびりと過ごすには退屈で、とにかく体を動かしたかった。
日頃弟が世話になっている恩返しという訳ではないけれど、村の畑仕事を手伝わせてもらう──錬金術で言うならば等価交換てヤツだ。でもそういう例え方は嫌いだ──そんな日々を過ごしていたある日。
それは起こった……──
弟も俺も錬金術師だ。
今は返上したが国家錬金術師であった時期もある。
物心付いた時には、弟と二人きりだった。
ガキの頃からキタナイこととか色々遣ってるうちにこの大陸に渡り、錬金術という物を知った。
それを教えてくれた人にも巡り合えたことがきっかけでキタナイことからスッパリ足も洗えたのは偏にその人のお陰でもある。
けどその人はもう亡い────