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□一
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照り付ける日差し、
額から伝う汗、
扇いだところで生暖かい風、


こういう日には早く家に帰って、一度冷たいシャワーを浴びてからランニングするのが1番だ。


…なのだが、


「うへー!あっちー!」




なぜか俺は桃城とコンビニの前にいた。


「やっぱり夏はアイスだよなあ。」


そう言うと桃城は先程買ったばかりのアイスの袋を不器用に開け、すぐに口の中に押し込んだ。

冷てー!なんて1人ではしゃぐ桃城を横目に、俺は生温くなったペットボトルの緑茶を胃の中に流した。


そもそも俺はコンビニには寄らないときっぱりと言ったはずなのだが、どうやらこいつの耳は機能していないらしい。




汗で額に張り付いた髪をそっと払って、それまで地面に落ちていた視線を桃城に向ける。

アイスをくわえたままぼうっと空を眺めているその横顔は、去年より随分大人っぽくなったように思った。





―いつも人から距離をとられてしまう顔つきと、同学年の奴らより随分低い声の俺は、ずっとこいつの年相応な顔や声に憧れを持っていた。


だから、きっと俺は、




首筋に汗が伝う感覚にはっとする。




(らしく、ねえ。)




先程までの考えを振り払うように首を振り、もう一度ペットボトルを傾けた。



「海堂」

ふいに桃城が俺を呼ぶ。

返事をしないで振り向くと、何も言わずに顔を近づけてきた。

ああ、これは、あれだ。





しゃわしゃわとやかましく鳴く蝉の音と、突き刺すような太陽の光を遮ろうと俺は目をつむった。








ああくそ、あちぃ。









「海堂、かわいい。」


年相応の顔で桃城は笑う。









―いつも人から距離をとられてしまう顔つきと、同学年の奴らより随分低い声の俺は、ずっとこいつの年相応な顔や声に憧れを持っていた。


だから、きっと俺は、




「…暑さで脳ミソ沸いてんじゃねぇのか。」




うるせぇ、と桃城が言う。





また生温い風が吹いて、また俺たちは唇を重ねた。











一生分の恋をしている








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