中編

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『口に会わなかったらすいません …!』


「いや、名前の作る料理は俺好みだ。」


お、俺好みって…!
先生がいなかったら間違いなく叫んでいる。
喜びの雄叫びあげてる!
あはは!
でも気になることがあるな!




『…先生?』


「ん?」


ご飯を咀嚼しながらこっちを振り向いた。
なんか…可愛いなぁ!じゃなくて!


『なんであたしの料理の味知ってるんですか?』


する先生の箸がピタッと止まった。
なんか視線が宙をさ迷っている。









「……俺の母親が…。」


『おばさん?』


「ああ。母さんが名前の家に行くとたまにお裾分けを貰ってくるんだ。それで…な。」



お裾分け…。
もしかして。



『それって青いタッパーに入ったお惣菜ですか?』


うちはお母さん仕事の都合でたまにあたしがご飯を作る。
よく余るからタッパーに入れて置くんだけと、それがたまに無くなる。
その原因が今分かった。




『(先生が食べるって知っていたら手抜かなかったのに…!)』


何てことをしてくれたんだお母さん!



一人で葛藤していたらノックの音が響いた。



『あたし
いない方がいいですか?』


「…こっちに隠れていろ。」


鞄を持って出ていこうとすると腕を掴まれて本棚の影に押し込まれた。








「はい。」


先生はあたしが見えないことを確認すると扉をあけた。




「…お前、」


「先生、お話があるんです。」




この声は…。


この前先生に廊下で大体告白した女の子!(確かミナミちゃん?)



「また質問か?」


先生は出入口でミナミちゃんに優しく笑いかけた。


「いえ、これを渡したくて…。」


あたしからはあんまりよく見えない。
先生は首を傾げながら受け取った。


「お弁当作って来たんです。」


被った!アピールネタ被った!!
うわあああああ!!あんな可愛い子からお弁当ってあたし勝ち目無いじゃん!?


「悪いが受け取れないな。」


先生は少しずれて部屋の中を見せた。


「今日はもう腹がいっぱいなんだ。」


そう言って先生はあたしが渡したお弁当を置いてある机を見せた。




「…………。」


「それに、生徒が作ってきた物は受け取れない。」










…………………え。








それってやっぱりあたしはただ
のはとこってこと…?







「もう授業が始まるな、教室に帰りなさい。」


先生はミナミちゃんの背中を軽く押すと扉を閉めた。




パタン…………












『先生は最初からあたしを生徒じゃなくて、はとことして見ていたんですね。』


「…………、」


先生は何か言いたそうに口を開けたけど何も言葉は発しないで視線を落とした。





『…お弁当!食べてくれてありがとうございます!箱は…まぁ好きにしちゃってください。』


「え!?ちょっと待て#名前#…!」


先生の引き留める声を聞こえないふりして部屋から走り去った。





























ガラッ!!







「お帰り!どう…ってどうしたの!?」


『ナ、ナミ…!』


「おー!?どうした名前!?」


『ヒック……』


「シャチ!あんた名前を泣かしてんじゃないわよ!」


「俺!?違う「ルフィ!!シャチが名前を泣かしたから成敗してやって!」」


「ゴムゴムの―!!」


「ぎゃあああああ!!!」














(血の繋がりは生徒よりも壁が高い)

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