中編

□体育祭ですよ、先生
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『暴れてやったわ!!』


「あんた可笑しくなってるわよ。」


頭にハチマキ、ジャージ、晴天、お弁当、つまり体育祭!!

お弁当はいつもか。


そしてあたしの足は捻挫。


















「さっさと保健室に行ってきなさい。」


『いやや!!絶対混んどるからいやや!!』


「腹立つ関西弁やめなさい!!」


ナミに駄々っ子を披露しても何も解決するわけもなく。


「シャチ。」


「俺!?」


「名前を保健室まで運んで。」


『いややー!!もっと暴れたるんやー!!ウソップのクラスに勝つんやー!!』


「あとはルフィに任せなさい!!」


『いややー!!』


駄々こねるんじゃない!とナミに頭を叩かれーのシャチに担がれーの。




『まだ暴れたりないー!!』


「俺の背中で暴れてるだろ!!現在進行形で!!」


「シャチ、逝ってよし!」


「くぉら!!漢字ちげーよ!!」
























――――……



























『はーなーせー!!』


「あぁ!?何時にも増して往生際わりぃな!」



くっそ、ナミのやつ名前を押し付けやがって…!



『だって嫌なんだよ!最近ロー先生セクハラが激しくなってきてる気がするもん!』


「気のせいだっての!!
大体ロー先生が名前みたいな子供相手にするわけないだろ!」















『…………………。』



「………え?なんで黙るんだよ?」



急に静かになったのに不安を感じて振り返ると、そこには涙目になった名前がいた。





『シャチ…あたしってやっぱり子供っぽい?』



不覚にも胸が高鳴った。
お、落ち着け俺!相手は名前だぞ!?



『やっぱり子供っぽいんだ…。』


そして遂に名前の目から涙がこぼれ落ちた。



『うー………。』


「(ええええええ)」


そういえば最近皆が名前を心配していたな。
空元気だのボーッとしてるだの。

確かに前とはなんか違うような気はしてたんだよな。
さっきの変な関西弁とか?













「なぁ名前、お前「何をやっている。」」




よく通る声が後ろから聞こえた。



「あれ、ペンギン先生?」


「シャチ、名前。こんなところで何をやっているんだ。」


『……………グス……、』


名前はまだ泣いている。


先生は俺を睨むように、いや、実際睨まれている。




「えっと…名前が足捻ったから保健室に…。」


「俺が連れていく。」


「ほ?」


「だからお前はグラウンドに戻れ。」


「へ?」





先生は俺の背中からひょいっと名前を取り上げると保健室と反対方向に歩いて行った。


去り際に少しだけ目元が赤くなった名前と目が合った。
勿論お互いキョトン顔で。



















((えー…っと…?))
 

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