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□ミニスカートな君
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宵の頃。


ふらりと化け猫屋へ足を運んだリクオは、その異様な風景に言葉を失った。

するとそこへ良太猫が駆け寄ってくる。


「若!」

「おう、良太猫」

「へへっ・・・、どうでしょう若」

「・・・こりゃ一体どうしたってんだい」


今宵の化け猫は独特な雰囲気を放っていた。

それもそのはず。


女子店員の制服が―

普段の質素な制服はどこにも見当たらない。

胸元が見え隠れする際どい衣装に、もう隠す気すら感じられない超絶ミニスカート。


これにはさすがのリクオも目を奪われた。


「今日は開店記念日なんですよ!というわけで、今日一日はこれで接待させていただきますよ」







リクオはどっかと席に腰を下ろすと、手近にいたミニスカ女性店員を指名した。


「若様からご指名がかかるなんて、私感激ですぅ」

「その制服、いいな・・」

「もうっ、褒めても何も出ないんですからねっ」


お前じゃなくて制服だよ、と心の中で突っ込む。

両脇にミニスカ店員をはべらすその様子はさすが魑魅魍魎の主といったところか。


しかし、そんな楽園は長く続かなかった。


「わ・・・若、逃げてくだせぇ!」


突然、血相を変えた良太猫が個室のドアを跳ね飛ばして駆け込んできた。


「ん、どうしたそんなに慌てて・・―っ!?」


その時、店の熱気で蒸していた空気が一気に凍てついてゆく。


そして、入り口に現れた影。


「おい、さみぃぞ・・・つらら」


それは紛れもなく自分の側近。

いつもと違うのは、あの柔らかな優しい笑顔ではなく―

氷のような冷たい表情。



「・・・リクオ様」

「んだよ、わざわざ迎えなんていら―」

「ひどいですっ!」


そう言って彼女は目に涙を溜める。


「・・・は?」

「リクオ様は・・・私なんかより、ここの女性の方が・・・っ!」

「ちょっと待て、ここは別にいかがわしい店じゃねぇだろ」

「こんな格好までさせて・・・私みたいな地味な女じゃ嫌ってことですかぁっ!」


いよいよ泣き出してしまうつらら。


「おいおい・・・勘弁してくれよ」


リクオは地面にへたり込んだ彼女を抱き上げる。


「り・・リクオ様、やめてくだっ・・」

「良太猫、わりぃが今日は帰る」

「へ、へぃ・・・お気をつけて」












「おい・・・いい加減、機嫌直せ」

「・・・」


隣に主がいるというのに、主に自ら酒を注がせるつららをじと目で見やる。


「・・・酌、しねぇんだったら何でそこ座ってんだお前は・・・」

「・・・ひどいですよ」

「あぁ?俺はお前に怒られるようなことは何も・・・」

「私じゃ、満足できないんですか?ああいう格好がお好みなので?」

「だからそうじゃなくてだな・・あれは、開店記念なんちゃらってやつらしい」

「・・・鼻の下、伸びていらっしゃいましたよ」

「・・・」


先程はちょっと我を忘れていただけに、自分がどんな顔をしていたかまで思い出せない。

もしかしたら― そんな顔をしていたかもしれない。



「ふう・・・」

「ごめんなさい・・・私下がったほうがいいですね」


そう言って腰をあげようとした彼女の腕を強く引く。


「きゃっ・・、」

「そう拗ねんなよ・・お前にもさせてみたいな、ああいうの」

「へっ?」

「お前だったら・・・店の奴らより絶対可愛いぜ?」

「・・・っ」


つららは見る見るうちに頬を染めていく。


「そ、そんなこと言ったって、ごまかされませんよっ!」


口ではそんなことを言っていても顔は満更でもなさそうだ。

つららの百面相っぷりにリクオはくつくつと微笑する。


「ごまかしてねぇよ、本気で・・・・そう思ってる」


耳元へ口を寄せられ、甘くそんなことを囁かれればつららの羞恥心を大きく揺さぶった。


「ぁ・・・ぅ・・」

「お前、ああいう服・・持ってねぇよな」

「ミニスカでしたら制服が・・」

「制服か・・・たまにはいいな、そういうのも」

「えっ・・」


リクオが何をしようとしているのかを悟り、つららは目をグルグルさせた。


「変化しろよ、人間に・・」


そう言って身体を寄せられれば、もはやつららに逃げる術はない。


「っ・・」

「嫌、なのかい?」

「嫌じゃ・・・ないですけど・・」


毎日その格好で学校へ通っているというのに、今はそれがものすごく恥ずかしい。

この先、何をされるかなんて分かりきっているから―



火照る顔は、溶けてドロドロになってしまうのではないかというくらい熱い。

しかし、リクオのその熱い眼差しで指すように見つめられれば嫌とは言えなかった。


「うぅ・・」


どろん、という音と共に人間の姿へと変化した。

先程まで輝いていた黄金色の目は吸い込まれるような漆黒に変わる。

その姿は昼間見慣れた制服姿。

それが夜桜を背景にすると不思議と新鮮でそそられる。

スカートは膝上約10cm程度。


「へぇ・・・改めて見ると、こんなに短かったか」


そう言ってリクオはぺらり、とその申し訳ない程度しか無い布をめくり上げた。


「ひゃ、ひゃぁっ・・リクオ様!?」

「なんだ・・・人間のときは、下着ちゃんと着けてるじゃぁねぇか」

「あ、当たり前ですっ!」


さらりとセクハラ的発言を吐くリクオに狼狽するつらら。


「リクオ様は・・・ミニスカートが、お好きなんですか?」

「さぁ・・・嫌いじゃ、ねぇな」


ニヤニヤと微笑を浮かべるその顔は、明らかに楽しんでいる。


「もうっ・・・」

「下着が邪魔だ」

「へっ!?」


つららが抵抗する間もなく、その布は一気に引き下げられた。


「きゃっ!」


スカートは盛大に捲り上げられ、数少ない希望である下着までもを引き下げられた。

そんな下半身はもう一糸纏わず、春のぬるい空気に晒されることとなった。


「ゃ・・・っ」

「嫌?嘘つくんじゃねぇよ」


そう言ってリクオはすでに濡れそぼった秘所をぬるりと指で撫でる。


「ぁんっ・・」


完全な受け入れ態勢を取っているソコは驚くほどに摩擦を感じない。

薄い粘液が彼女の大事な場所に膜を張っている。


「ここ、もうこんなにして・・・ずっと待ってたんだろう?」


そうしてもう一度、今度は少し割れ目を割くようにして指を往復させる。

擦られる度に響く、耳を塞ぎたくなるような淫猥な水音。


「んっ・・・そんなこと・・・っ」

「へぇ・・じゃあなんでこんなになってんだ?」


愛液でテカテカに輝く指をつららの眼前に突き出して見せる。


「ぅ・・・」

「ほら、分かるだろ?お前・・・この期に及んでしらばっくれても無駄だぜ」


リクオはその指を彼女の小さな口へ突き刺した。


「んっ・・・ふぁぁっ」


くいっ、くいっ、と奥へ突いてやると、つららは少し苦しそうにそれを舐め始めた。

ひやりとしたつららの舌の感触を楽しむと、それをおもむろに抜き取る。


「はぁ・・・はあぁっ・・」


息を切らして必死に空気を補給するつらら。

その表情は酷く艶かしく妖艶だ。


「ご褒美だ、よーく味わえよ」


リクオは前触れ無く、割れ目の上端にある突起を優しく擦った。

その瞬間、つららの身体がびくっと震える。

口からはだらしなく涎を垂れ流し、目をとろんと虚ろに―

ただリクオのする行為を眺めている。


その表情にはもう強がった色は失せ、ただ与えられる快楽に身を任せるメスと化していた。



「リクオ様・・・」


艶のある甘い声にリクオが顔を上げれば、扇情的な彼女の顔に更なる高ぶりを覚えた。


「なんだ・・・そんな誘うような、顔しやがって」


そうしている最中も突起をいじくる手は止めない。

擦り上げられる度にびくびくと彼女の身体が跳ねる。


やがて、その跳ねる間隔は徐々に狭まっていき―


「り・・リクオ様っ・・・」

「なんだい、そんな格好で・・・一人でいっちまうのか」


上半身を包む清楚な制服は乱れ、下半身に至ってはスカートが放り出されてあられもない姿を晒している。

しかし登りつめたつららにはもはやそんなことはどうでもいい。

自分の格好など顧みる余裕などない。

今は― ただ、快楽を貪りリクオの背中に爪を立てる。


「嫌・・・リクオ様っ・・・と、一緒がいいですっ」


目から氷の雫をポロポロと地面へ転がし、息も絶え絶えにそう訴えるつらら。


「もう待ちきれねぇってか」

「はい・・」


素直な返事に満足げに微笑すると、リクオは自身の欲望を彼女の氷のように冷たい蜜壷へ一気に突き立てる。

たぎったリクオの分身には心地よい冷たさ。

自らの熱情を逃がすように、彼女の中をひたすら擦り上げる。


「ぁ・・・・ぁぁあ・・・だめっ・・」

「くっ・・・」


あまりの狭さに、リクオは顔を歪めた。

先程までの余裕はどこへやら。

先に果てないように耐えるだけで精一杯だった。


「ぁん・・ぁぁあっ・・・もう・・・ぅ」

「ぐっ」


出入りを繰り返しながら、達しそうになるのを耐える。

きつく歯を噛み締めて。



「ん・・・んぁ・・・あああぁっ・・リクオ様っ!もう・・もう・・・っ」

「俺も・・・どうやら限界らしい」

「もう、だめぇっ・・リクオ様ぁっ!」


一際大きな嬌声の後、つららの身体がぶるっと震えた。

その瞬間、一気に収縮した彼女に搾り取られるようにしてリクオも精を吐き出した。









「・・・リクオ様」

「ん」

「どうでした・・?この格好」

「なんだ・・・、素っ裸より、妙に興奮するもんだな」


冷めかけていた彼女の頬はまた、ぽうっと火照りを覚える。


「では、もう他の方に鼻を伸ばすの・・・やめてくださいね」

「伸ばしてねぇっての・・」


自信のない反論を返す。

その後に返ってきたのは、静かなる寝息だけだった。


「ったく・・・朝誰かにこれ見られたら、新しいプレイに目覚めたって持ちきりになるぞ・・・」


はじき出された布団をかけ直してやる。

そうしてまどろみに身を任せながら、未だ人間姿の彼女をきゅっと抱きしめる。




 

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