-Rose Novel-

□甘美な痛み 1
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土曜の昼下がり、 グラウンドで俺と吹雪はいつものように必殺技の特訓をしていた。 だが今日は一つ違った事がある

いつもと違っていたのは
昼の日差しを弾き眩しく光る吹雪の陶器のような白い腕に無数の絆創膏を見つけてしまった事だ

サッカーでできた傷にしては多すぎる数だ 第一いつも俺は吹雪の近くで練習しているがそんな傷 全く覚えがない

よく目を凝らすと絆創膏で覆いきれなかったであろう切り傷があった

いてもたってもいられず 声を掛ける事にした

「おい、吹雪………
あの そのだな……………」「えっなぁに染岡くん?」

ニコニコと聞いてくる吹雪に言葉が詰まってしまう
「悪いがこの後部室に残ってくんねぇか?」
「えーと 別に良いけど
どうしたの急に?」
「あー ちょっと 聞きたい事があるつーかよ…」

誤魔化し気味に答えると ふーん 今聞けばいいのに変な染岡くん、とふわりと笑って 円堂達の所へシュート練習に行ってしまった


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――――――
「で、なぁに?聞きたいことって! 」
「あーそのなっめんどくせーから単刀直入に聞くが、なんだその絆創膏はよ サッカーで出来たもんじゃねーだろ!?」
「えっ………それは………」
暫く 吹雪は俯いて考え込むとやがて はっとしたように顔をあげ

「うん、そうだね。わかったよ…………」

といっておもむろに衣服を脱ぎ出した

「はっ!?ちょ お前何やってんだよ!」

脱衣を止めようと吹雪に手を掛けると

「いいから、見てて」

と強めに叱咤されてしまい思わず手を引っ込めてしまった

ベンチウォーマーを脱ぎ去り、ユニホームの裾を捲ると雪のように白い肌が、






見える予定だった





がしかし実際の吹雪の肌は不規則に切り傷が並び ペンチか何かでつねったような痕、青アザ、中には緑という肌の色としてはおかしな色になってる処もあり

腕の絆創膏も一枚、また一枚と剥がしていくと 今度は予想通り 生々しい切り傷が現になった

「っ!?痛かっただろ!!誰にやられたんだ!!名前言え!?俺はそいつに仕返ししてやらねぇと気がすまねぇ!!ぜってぇボコボコにしてやる!!」
吹雪は困った顔をする

「ねぇ………?」
「あぁ!?」

怒りと苛立ちのあまりつい棘のある言い方になってしまった だが吹雪には怯えの表情はみえない

「…………れるの?」
「え?」

「本当に、ボコボコにしてくれるの?」

俯いているため表情は窺えないが震えているようだ
「あぁ、絶対だ。だがら誰にされたんだ 言え!」







「やったのは………………僕だよ?」

「え……………?」



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