-Rose Novel-
□初恋3 〜貴方に、少しでも……〜
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風丸さん、あの人の名前が分かってから 部活を捜し当てるまでにそう時間は かからなかった
同級生に尋ねたところ
あぁ陸上部の風丸先輩ね! と既に結構有名だったようだ
聞くところによると風丸さんは一年の頃から
陸上部のエースらしく 後輩からの信頼も厚く
時期部長候補らしい さすが風丸さん!
今日 早速 陸上部を
訪ねようと思う
早く放課後にならないかな
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―――――
―――
トクン トクン
心臓の音が聴こえるのは きっと陸上用のトラックにあの蒼を見付けたからだろう
なんて話し掛けよう…… あっ、でも今 練習中っぽいし邪魔になったら嫌だし終わってからにしようか………
あぁ でも自分の事だから終わった後でも何かにつけて後に後にとしてしまうだろう……それならいっそハンカチは自分の物に………
いや、それはだめだ 第一 折角の話し掛けるきっかけを失ってしまうではないか………………
下を向いてもごもごと
迷っていると なぁ、と
声を掛けられたので顔をあげると
「わっ!?」
風丸さんがいた、
「なぁ 入部希望者か?」
「えっ あ…はい!」
え、何言ってんの自分
「そうか!あれうけに来たんだな! 」
「あっ はい!」
だから 何言ってんの自分 あれってなんだ? ってか
ハンカチはどうした自分!?
「そうか、それじゃあ こっちについてきてもらえるか?」
そう言ってニコッと
眩しく笑う風丸さんに
間違えました ハンカチを返しに… なんて言える訳がなく いったん目的を
置いてたぶん見学に参加する事にした
ついていくと結構な数の人が集まっていて 見学する者は自分だけではない事が分かった
監督らしき人が来た
「え〜 これから 陸上部
入部テストを開始する」
え…………?
「今から言うメニューを
こなしてもらう」
言い渡されたメニューは
途方にくれそうな量の
練習メニュー………
これ本当にやるの?
あ でもちょっと待てよ
陸上部に入ったら
風丸さんとあんなことや(合宿)こんなこと(大接近!)が出来るではないか!!!!
ふおおおお!なんかやる気出てきた!!!
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――――――
尋常ではない量の基礎トレーニングをやっとの思いでこなし もう体力的に限界値に達しているが 最後の課題、グラウンド100周に 取り掛かっていた
へろへろになりながら走りふと、横を見ると トラック際で休憩している風丸さんと目があい にこりと微笑まれた
「っ!!」
やばい、かなり嬉しい…… あぁ 顔 赤くなってなきゃいいんだけど……
よし!頑張れる、頑張れる!!
(貴方が見ててくれるのなら、
どんなことでも出来るんです)