小さいモノ
□小さいモノB
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※副会長視点
どうやら元気を取り戻したような陸也は、双子と一緒にお菓子をばくばくと食べ始めた。
その姿は小動物か何かが食い意地を張っているようにしか見えず、なんとも微笑ましい。
そう感じたのは、僕だけではないらしく、心なしかあの不良まで微笑んでいるような気がした。
それにしても、あれだけ食べていて良く太らないな・・・。
あの量をほぼ毎日食べているような・・・。
それより、今日はどうしても陸也に言わなければいけないことがあった。
ずっと、生徒会の(隼人のぞく)中では話し合っていたことなのだが、当の本人である陸也にはまだなにも話していない。
これは既に決定事項で、あとは陸也が了承してくれれば済む話。
陸也が了承してくれる自信は、ある。
というより、確信している。
だから、本人には言わず、サプライズのように、突然言おうと心に決めていた。
そして、きっと、多分、今日、言うべきなのだろう。
書類も既に準備済み。
僕はさりげなく、陸也のところに近づく。
未だお菓子に夢中な陸也は僕の接近には全く反応を示さなかった。
・・・ちょっと傷つく。
「陸也、ちょっといいですか?」
「ふぉ、ふぁふぃ?」
お菓子が口の中に詰まっているのか、はっきりとしゃべれていない陸也。そんなところもまたかわいい。
「前から言おうと思っていたんですけど・・・」
僕の言いたいことの意図が全く読めていない陸也は首をかしげる。そんなところもまたかわいい。
「実は・・・」