小さいモノ

□小さいモノA
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時は過ぎて放課後。

今日も俺と沼田君の部屋で、宴会が始まるのだろう。

「りーくーやっ」

ため息の元凶、否、生徒会役員(会長除く)が俺たちのクラスにやってきた。

「おっ来たのか」

陸也が駆け寄る。

「陸也、今日は空穂君たちの部屋ではないところへ行きましょうか」

陸也に真っ先に抱きつかれて少々うれしそうな副会長はにっこりと陸也に微笑む。

「え?どうして?」

陸也が不思議そうに副会長を見つめる。

「はい。さすがに毎日毎日空穂君達のお部屋にお邪魔するのもどうかと思いまして」

なんだ、わかっていたのか。

だったらもう少し早く対応してくれてもいいんじゃないか。

「そっか・・・でもどこにいくんだ?」

「はい」

そこで副会長は笑みを濃くした。

「生徒会室に行こうかと」

にっこりと副会長が笑う。

「・・・・・・・・行って・・・いいのか」

少し副会長の言葉に驚いている陸也。

「いいんだよーそれより陸也早く行こう?」

「そうだよー早く行こうー?」

双子が陸也をせかす。

「俺・・・・陸也と一緒・・・行きたい」

庶務さんもそれに加わり、陸也は「わかったわかった」といって承諾した。

「空穂ー零夜ー今日は生徒会室だって」

「いや、俺は行かなくても・・・」

「空穂ー行くんだからな」

・・・・俺は強制参加なのか。

「りくやーん早くいこぉ」

緩いしゃべり方で、緩い笑顔を浮かべた会計さんは、陸也の隣に立ち、陸也を引っ張る。

俺はとりあえずカバンを持ってこの無駄に美形集団についていく。

きっとこの美形集団についていって生徒会室なんて入ったところを見られたら、俺への非難は倍増するだろう。

本当に・・・この無駄に美形集団は自分達の影響力というものを知らない。

知っていても程度を知らない。

まぁ、おれの場合、陸也に非難の矛先がまちがっても向かないようにすることが最優先なので自分が非難されようが困ることはないが。

「さ、もうちょっとだよぉ」

俺達は生徒会室へつながる廊下をぞろぞろと歩いていった。
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