保険委員な彼女
□幼馴染み
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※ 速水side
ポタリ、ポタ、ポタ。俺が歩く度に血が廊下に落ちる音がして思わず保健室へ向かう速度が上がる、嗚呼きっと俺の顔色は青ざめてるんだろなあ、…と考えているうちに保健室に着いた。靴を脱いで綺麗に揃え二、三回ドアをノックしたところで保健室に入った―――……ら、誰も居ない。あれ?おかしいな、保健室の前に一つ靴があったんだけど…保健室をグルリと見回してからある一点に目が行き、そして思わず溜め息が出た。俺はベッドに近寄り顔に被せてある小説を起こさないようにゆっくりと取ったら―――やっぱり。俺の幼馴染みが幸せそうな顔をして眠っているものだから思わずまた深い深い溜め息が出た。取り敢えず俺は一応保健委員長である彼女の体を揺ってみた。
「 ……ちょっと瑠璃歌、起きてくださいよお… 」
『 うー…あ―…ん、…ん? 』
「 瑠璃歌、…ずっと保健室で寝てるつもりですか…? 」
ふわあ、と欠伸を漏らして瞳を閉じたり開けたりする瑠璃歌に思わず苦笑を浮かべる。瑠璃歌は此方を見ると心底不思議そうな顔で問い掛けてきた、…可愛いなあ。
『 ん、…―にゃんでつりゅが此所に、…? 』
「 ( に、にゃんで?!つ、つりゅ?! ) 」
無自覚で可愛らしいことを言う瑠璃歌に和まされ目を細めると瑠璃歌は俺の腕と膝を見る。一瞬沈黙が起きたかと思うと素早い早さで起き上がり素早い早さで俺の腕を引っ張り椅子に座らされた。因みに瑠璃歌は自分のハンカチを持ってどっかに走っていった。…え、まさかの放置…!?
「 はあ、参ったなあ… 」
「 おっまたせー、なのー 」
「 うわああああああ 」
思い切りガラッと保健室の扉を開けられ叫ばれ、そう言う突然なことに慣れない俺の心臓は飛び跳ねる。椅子から落ちそうになったので慌てて立ち上がる、この際椅子が大きな音を立てて床に叩き付けられたのは気にしないでおく。彼女は目をぱちくりさせるも直ぐにいつものふにゃりとした笑みを浮かべ「ごめんなの、」と謝罪。俺は「気にしなくていいです」と言い倒れた椅子を起こし椅子に座る。彼女は待ってました、と言わんばかりに濡れたハンカチを腕の傷に当てた。
「 っ、い…! 」
『 痛いなの?ごめんなの、あともう少しで砂取れるなの… 』
「 分かり、ました… 」
『 ………はい、取れたなの 』
俺がギュッと目を瞑り、痛みに必死に堪えているともう終わったらしい。思わず膝も見るともう終わっていた――早すぎる。医療に関して天才な彼女にどんな反応をすればいいのやら…元々彼女は一度説明すれば何でもこなす天才肌だった。けれd、
「 ―――っ、ああああ?! 」
『 …やっぱり染みるなの? 』
「 はあ…当たり前でっ、いたたたたた! 」
『 っと、完了なの 』
「 ……ったた…怪我人なのに、容赦無しですか… 」
『 え―…瑠璃歌はこれでも手加減したなの… 』
嘘だ、絶対嘘だ。だって彼女は右腕を腰にあてている、これは彼女が嘘を吐いている時の癖だと幼馴染みの俺は知っているから。そこで俺は小さく溜め息を吐いて彼女の右腕を指差した。
「 右腕。腰にあててますよ 」
『 、! 』
彼女の瞳が驚いたように、揺らぐ。嗚呼、自分でも気付いていなかったらしい――自分でやって自分の癖も分かっていないなんて、と苦笑を漏らすと彼女は悪戯っぽく笑ってこう言った。
『 …鶴はね、楽しい時と嬉しい時と面白い時に必ず苦笑するなのー 』
「 っ、! 」
今度は俺が目を見開いた。
( 癖を見破るのは幼馴染みの特権、 )
( 癖を見破られるのは幼馴染みの特権 )
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二話は速水sideでした
。はい、幼馴染みは速水く
んです、連騾は速水くん大
好きっ子なんでs。蘭丸落
ちですけど速水くんや浜野
くん、倉間くんと二年トリ
オがでしゃばる可能性ぱな
いです`・ω・´
11.08.30.三輪連騾