保険委員な彼女

□心拍数
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 ※ 霧野side





俺は今柄にもなく緊張していたり、する。別に只のクラスメイトなんだが、一人だけ只のクラスメイトじゃない人が居る。別に話したことがなくて緊張していると言う訳でもなく、寧ろ俺はそんな人でも普通に話し掛けたりするから緊張の“き”の文字も俺には関係しないんだがその一人だけ“只のクラスメイトじゃない”人が居ると言ったが、その人の何が只のクラスメイトじゃないかって言うと他のクラスメイトに対する気持ちとその人に対する気持ちが違う。じゃあどんな気持ちかって言うとその気持ちは自覚しているので堂々と言える、これは“恋”なのだと。しかし生憎俺はそんな彼女と話したことが全くない。何故なら話し掛けようとすると心臓が五月蝿くて話し掛けれないし(矛盾してるだろ?)、いざ話し掛けようとすると彼女は教室に居ないのだ。
そしてなんと実は今、話し掛けれなかった彼女の目の前に居たりする。……別にそう言う疚しい意味ではなくて廊下で擦れ違った保健の先生に彼女に渡してくれ、とプリントを何枚か渡されたからだ。



「 あの、夏目さん、 」

『 んー…君は確か霧野くんだったかな? 』

「 っ、! 」



彼女が俺の名字を呼ぶ、それだけなのに何故か俺の心は舞い上がった。……まるで恋する乙女じゃないか、やめてくれ気持ち悪い。だとか心中ぶつぶつと呟いていると彼女は首をこてん、と傾げて不思議そうに此方を見上げる、…物凄く可愛い。何も言い返せない俺に彼女は困ったように笑いながら口を開いた。



『 あれ、霧野くんじゃなかったなの?じゃあ霧隠くん?霧山くん? 』

「 え、あ、いや、霧野であってるよ。 」

『 そう、ごめんなのー。 』



にへら、と無邪気に笑う彼女にまた心臓が跳び跳ねた。…今日の俺心拍数がヤバいような気がする、と言うか本来の目的忘れてるじゃないか俺…!しっかりしろよ、と自分で自分を叱ってみたり。( …待て引くな。 )俺は息を吸う、彼女はまた首を傾げるも不意にチラリと俺の手に持っている物――プリントに目をやり「あ、」と一言呟く。



『 あれ?霧野くんって保健委員だったなのー? 』

「 ん? あ、これは… 」

『 私、委員会で霧野くん一度も見たことないなの、 』

「 いや、違うんだ。これは保健の先生から言われて夏目さんに渡してって言われて、 」

『 あ、そうなの?ごめんなの、あのセンセー人使い荒いから…この前も私雑用押し付けられちゃって、 』

「 、そうなんだ。 」



駄目だ、彼女の近くに居るだけでも心臓がばくばくと五月蝿いのに話となると物凄く跳ねて話が出来ない、だから適当な相槌を打つ他ない。するとそんな俺に気付いた彼女は眉を下げる。



『 ………ごめんなの、 』

「 、え 」

『 一回も話したことない人にこんなに一方的に話をされたら迷惑だよね、 』

「 ! そんなこと、ない。 」

『 ………ほんとなの? 』



彼女は不安そうに眉を下げて俺の機嫌を窺うように恐る恐る、と言ったように顔を上げる。俺は思わず彼女の頭を撫でようとした手を慌て引っ込めた。いけない、此所で撫でたら絶対に嫌われる。それだけは避けたい、



「 ああ、本当だ。 」

『 ! 良かったなのー、 』



安心したように笑う彼女にまた心拍数が上がった。ああ、本当に恋する乙女じゃないか。俺は溜め息に似た苦笑を漏らす、するとまた彼女は不思議そうな顔をした。それさえも可愛く思える俺は重症の域をこしている。





( ところで霧野くんは何部なの? )
( サッカー部だけど、 )
( ! ……そうなの… )
( ? ああ、 )







  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 中篇でやろうかな、と思い

 ます。最近稲妻が熱なので

 、……しかし更新停滞して

 るので無事完結出きるのか

 謎…一応蘭丸落ちの逆ハー

 で行きたいと思います…、

 て言うか似非丸…あ、これ

 だと風丸と被るwwwww

 似非野さんえげつない…。



      11.08.29.三輪連騾

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